公式アカウント

日南首脳の慰霊碑訪問、置き去りの被爆者

2023年05月24日 16:29 社会を知る~今週のnewsトピック~

日本社会や在日同胞を取り巻くニューストピックを週に一度、紹介する。

日南首脳の慰霊碑訪問

今月19日から21日にかけて行われた先進7ヵ国首脳会議(G7サミット)の最終日、岸田文雄首相と南朝鮮の尹錫悦大統領が、広島市の平和記念公園内にある「韓国人原爆犠牲者慰霊碑」を訪問した。

慰霊碑は今から53年前の1970年に建立され、当初は公園の対岸に置かれていたが、80年代に入り、「朝鮮人被爆犠牲者の慰霊碑建設」を主要な活動方針に掲げた「広島県朝鮮人被爆者連絡協議会」(朝被協、75年発足)による地道な活動や、「差別の象徴」だとする世論も相まって、90年には広島市が「南北一つの統一碑であれば公園内の建立を認める」との見解を発表するに至った。その後92年、当時の広島市長が立ち会い、総聯と民団両機関の合意を経て、「統一碑」建立に向けた建設委員会が発足したが、民団側の一部の人たちによる反対で協議は中断、「統一碑」は建立されないまま、99年に現在の場所へと移設された。(その際、総聯、民団、市当局の3者は、碑を公園内に移すことを優先し、碑の名称については現在のまま移設することで合意。その条件として、今後「統一碑」を建立すると合意した確認書(2001年4月14日)が3者のあいだで交わされている)

そうした分断の象徴ともいえる「韓国人原爆犠牲者慰霊碑」への訪問について、南の大統領府報道官は「両国のつらい過去を直視し、癒やすために、両首脳がともに努力していることを示すもの」と説明した。

いまだ支援を受けられていない在朝被爆者をはじめ、米国による原爆投下で犠牲となった同胞被爆者たちは分断状態に置かれたまま、空虚な発言と支持率稼ぎのパフォーマンスだけが記憶された。

日増しに高まる廃案の声

現在、参議院で審議中の出入国監理及び難民認定法(入管難民法)改正案の廃案を求める声が日増しに大きくなっている。21日、東京・渋谷周辺で行われたデモには、過去最大規模となる約7千人が参加(主催者発表)。前日20日には大阪でも同様のデモが行われ、約500人が入管難民法の早期廃案を訴えた。

これと関連しては、移住者と連帯するネットワークなどの人権NGOや日弁連などから、連日抗議声明が出る中、南朝鮮の弁護士有志58人が20日付で連帯声明を発表。「時代に逆行する人種差別的・前近代的な法案」だとして遺憾の意を表明した。

一方、17日には、カメルーン人男性(60)が、国を相手取り、難民と認めなかった処分の取り消しを求めた訴訟の1審判決が言い渡された。

報道によると、男性は本国の労働組合で反政府活動をしていたことを理由に、政府から逮捕状を出されていた。2012年に来日後、難民申請したが、認められず提訴に踏み切った。

東京地裁の市原義孝裁判長は、「迫害の恐怖を抱くような客観的事情に該当する」として国の処分を取り消し、「難民に該当していた」と結論づけた。

(朝鮮新報)

あわせて読む

Facebook にシェア
LINEで送る