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国連対日審査、委員らが朝鮮学校差別を指摘

2022年10月19日 17:26 社会を知る~今週のnewsトピック~

日本社会や在日同胞を取り巻くニューストピックを週に一度、紹介する。

国連対日審査、委員らが朝鮮学校差別を指摘

国連自由権規約委員会による自由権規約の履行状況に関する対日本政府審査(写真)が、13日~14日にかけてスイス・ジュネーブで行われた。日本政府に対し、社会的マイノリティに対する差別問題、朝鮮学校と関連した問題について指摘が相次いだ。

審査は、国連自由権規約の加盟国に対し、同規約が定める人権基準を守っているかを確認するために定期的に行われている。

13日の対日審査では、国連委員から「ヘイトスピーチを目的としたデモは減少傾向にあると聞いているが、中国人、琉球・沖縄、部落民、在日コリアンなどに対するヘイトスピーチは未だ深刻なものだと受け止めている」として、日本がなぜ包括的な反差別法を整備しないのかとの質問が飛んだ。これに対し日本政府は、法整備を行わない明確な理由を明かさなかった。審査2日目には、日本軍政奴隷制被害者らへの補償や謝罪の是非についての質問があり、政府は「合意(韓日請求権協定)を誠実に履行している」と抗弁。自由権規約が発行した1979年以前の問題を国連で言及することは不適切であると主張した。

また、在日朝鮮人無年金問題、就学支援金制度からの朝鮮学校排除についても指摘があったが「我が国の年金制度は保険料を払った者に対して支給することを原則としている。在日朝鮮人に対する差別は行っていない」と主張し、朝鮮学校に対する差別措置について言及を避けた。勧告などが盛り込まれる国連の総括所見は今月末に採択の見通しだ。

コリア国際放火、第3回公判

大阪府茨木市のコリア国際学園に侵入し火をつけたとして、建造物損壊などの罪に問われている太刀川誠被告(30、無職)の第3回公判が13日、大阪地方裁判所で開かれた。

被告人質問で、被告は「在日朝鮮人に嫌悪感を有しており、ネットで『朝鮮学校』と調べて近くにあった学校を狙った」と犯行の動機について述べ「嫌がらせをして日本から追い出す」目的があったも話した。

報道によると、被告は4月1日に同学園の敷地内に侵入し、段ボールに火をつけ床を焼損させた。また、創価学会淀川文化会館(大阪市内)の敷地内に侵入し窓ガラスを割ったとして、7月5日に器物損壊などの疑いで逮捕・起訴されていた。

公判後、会見を開いた丹羽雅雄弁護士(外国人人権法連絡会共同代表)は「ヘイトスピーチやヘイトクライムは在日の方の居場所をなくすことに繋がる。社会全体で向き合い方を考えていかなければ」と警鐘を鳴らした。

保険証廃止、マイナカードに一本化

日本政府は、2024年に現在の健康保険証を廃止し、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」に切り替えると発表した。事実上、同年よりマイナンバーカードの取得が義務化されることになる。

現状、カードの取得は任意となっており、交付率は人口の5割ほどにとどまる。これまでは自発的な取得を促していたが、6月、日本政府は健康保険証を24年度以降に原則廃止する方針を閣議決定。政府は就職や離職のたびに保険証を変更する必要がない利便性をアピールしているが、国会審議を経ないまま強権的に決定されたため、市民らからは「政権に個人情報をさらすことはできない」として反対の声があがっている。13日には保険証の廃止とマイナンバーカードの義務化に反対するネット署名が開始され、2日間で約10万人が賛同した。

自衛隊、性暴力加害者が謝罪

陸上自衛隊内での性暴力を訴えた元自衛隊員の女性が17日、東京都内で会見を開き、加害当事者から直接謝罪を受け取ったことを発表した。

女性は所属の中隊で日常的なセクハラを受けており、2020年秋から21年8月ごろまで行われた演習では、テント内で体を触られる、押し倒されるなどの被害を受けていた。

非公開で行われた面談で謝罪した4人の加害者は、それぞれ手紙を持参したうえで何度も頭を下げ、反省の言葉を述べたという。また、責任を取るためいずれも退職する意向を示したという。

被害女性は「やっとこの日がきたんだという思い。4人には責任をもって罪を償ってほしいし、防衛省、自衛隊には被害を申告する人に対して解決に至る対応を考えてほしい」と話した。

(朝鮮新報)

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