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ガザ地区、死者数3万人に迫る

2024年02月28日 14:07 社会を知る~今週のnewsトピック~ 連載

日本社会や在日同胞を取り巻くニューストピックを週に一度、紹介する。

議員のヘイト発言めぐり緊急集会

2月3日、一般社団法人アジア・太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪)と反差別国際運動(IMADR)が大阪市内で緊急企画「人権を実現できる日本に―マイノリティ女性の人権侵犯申立から考える」を開催した。対面・オンラインの形式で行われた企画には約100人が参加した。

この企画は、2016年に国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)で日本政府報告書が審査された際、現地で参加していたマイノリティ女性たちについて自民党の杉田水脈議員がSNS上でヘイトスピーチを行ったことが発端。これに対しアイヌと在日朝鮮人当事者たちが謝罪を求める署名の提出と人権侵犯申告を行った結果、その一部が人権侵犯として認定された一連の流れを受け、取り組みの成果と課題、今後の方策を考えることを目的に開催された。

企画には札幌法務局へ申告をした多原良子さん、大阪法務局の申告に立ち会った金英哲弁護士、外国人人権法連絡会の師岡康子弁護士がゲストとして招かれ報告した。

多原さんは大阪の在日朝鮮人女性が行った人権侵犯申告を受け申告を決意したとしながら「アイヌ女性に対する複合差別の活動をする理由は、アイヌ民族に対する侵略と差別、性搾取などの苦難の歴史があるからだ」とし、社会を変えるために声をあげることの大切さを呼びかけた。

金弁護士は自身も関わる大阪弁護士会のヘイトスピーチ対策推進プロジェクトチームの活動を紹介。その経験を基に法務局の不十分な対応を批判し、その原因は「ヘイトスピーチ解消法に『不当な差別的言動』という文言はあっても、あくまで解消すべきもの・啓発すべきものにとどまり、違法で禁止すべきものだとは規定していないためだ」と指摘した。一方で、ネット上の書き込み5件が人権侵犯と認定され「報道により多くの人が賛同したこと、法務省という公的機関から議員に『啓発』をしたという点で意義を感じている」と述べた。

師岡弁護士は人権侵犯被害申告制度利用の活用と限界について言及。公権力による人権侵害を扱う難しさや、違法と認定されながら何ら法的責任を問われない現状などの問題点を挙げた。そして、現行制度の運用を改善しながら包括的な差別禁止法、国内人権機関の設立を求めていかなければならないと強調した。

 

ガザ地区、死者数3万人迫る

イスラエルは米国と英国を筆頭にする追従勢力の庇護の下、ガザ地区で2万9878人を殺害した(27日時点、保健当局発表)。18日、ブラジルのルラ大統領はガザ地区での殺戮について「戦争ではなく大量虐殺だ。高度な訓練を受けた軍隊と、女性や子どもたちとの戦いだ」と糾弾した。

即時停戦を求める声は世界の文化人の間でも広がっている。労働者階級や貧困問題に焦点を当てるケン・ローチ監督は英・アカデミー賞授賞式に参加した際、ガザ停戦を求めるバナーを掲げた。また、パレスチナ人のバーセル監督は独・ベルリン映画祭での受賞スピーチにて、虐殺とヨルダン川西岸地区における占領の実態を語り、ドイツ政府に対してイスラエルへの軍事支援をやめるよう訴えた。

一方、25日には在米イスラエル大使館前で米空軍所属の男性(25)が焼身自殺を図り、死亡した。男性はその様子をライブ配信し、「もう大量虐殺には加担しない。今から過激な方法で抗議をするが、パレスチナの人々が植民地支配者によって経験している過酷さに比べれば何でもない」と言い残して点火。炎に包まれる中、「フリー!パレスチナ!」と何度も叫んだ。

ハマスは、死亡した兵士を「米政権とその不公正な政策によって抑圧されているパレスチナ人の苦境と人間の価値の擁護者としてその名を不朽のものとした」とし「遺族と友人に対して心からの哀悼の意を表し、全面的な連帯を表明する」とSNSに投稿した。

また、27日に開かれた国連安全保障理事会では、国連側がガザの現状は「住民の4分の1に当たる57万6千人が飢餓の一歩手前にある」と説明。ロシアは「米国が停戦を阻んでいる」と批判した。

(朝鮮新報)

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