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性的少数者差別も禁止を

2023年01月25日 15:50 社会を知る~今週のnewsトピック~

日本社会や在日同胞を取り巻くニューストピックを週に一度、紹介する。

性的少数者差別も禁止を

沖縄県が制定を目指すヘイト規制条例を巡り22日、琉球大学法科大学院の学生が、オンラインで募った1万3,927筆の署名を、県の担当者へ提出した。

同大学院生有志らが呼びかけた署名「沖縄県は差別禁止条例でLGBTQ+だけを軽く扱うのをやめてください」は、昨年12月5日、沖縄県が公表した「沖縄県差別のない人権尊重社会づくり条例(仮称)」の骨子案を受けてのもの。性的指向および性自認を理由にした差別的取り扱いの禁止を求めた。

同案では、「人種、国籍、信条、性別、社会的身分その他の事由」を理由とした差別的取り扱いが禁じられ、それらの解消に向けた取り組みがうたわれるなか、「性的指向」や「性自認」については理由に含まれず、取り組みにおいても「配慮」や「理解の促進」などと曖昧な表現にとどまっていた。

報道によると、署名を受け取った県女性力・平和推進課の島津典子課長は、提出された署名を参考に、「思いに応えられるよう条例案を作成したい」と述べたという。

差別の現状について、署名の呼びかけ文では、「LGBTQ+に対する差別は根深いものがあり、特に島である沖縄では、学校での差別やいじめを経験した人も多く、自分自身のアイデンティティを隠して生きていかざるを得ない方が大勢いる」と説明していた。

国籍や民族など出自を理由とする差別が顕著な一方で、他のマイノリティー性を持つ人々への偏見や差別もまた社会に蔓延している。それらに対し、同様に目を向け、他者の痛みを想像することが求められる。

共生とは程遠い認識

市自治体基本条例の「市民」を定義する規定に、外国人を新たに加える方向で条例改正の準備を進める熊本市に対し、意見公募を通じて、約2,400件の反対意見が寄せられた。

同条例は2010年4月、「市政や街づくりへの市民参加を促す」目的で施行。現行条例の場合、「市民」を、①市内に住所がある、②市内に通勤・通学する、③市内の事業者・地域団体・市民活動団体─と規定する一方、改正案では、外国籍をもつ人であっても①~③の要件に該当する場合、「市民」に含むことを明記している。

集まった意見は、「将来、外国人参政権を認めることにつながる」「外国人に乗っ取られる」など。市の取り組みに対し、「外国人に参政権をあたえる」といった誤解や事実に基づかない書き込みがSNSで拡散されたことが要因の一つと思われ、多様性の尊重や共生とは程遠い社会の認識が、露呈する形となった。

議論呼ぶ法案の提出

23日に始まった通常国会に、政府が新たに提出する予定といわれる各法案が議論を呼んでいる。

防衛費財源確保のための特別措置法案、2年前に廃案となった入管難民法改正案、マイナンバーに公金受取口座を自動登録する法案がそれだ。他にも、福島第一原発事故を理由に依存度を減らすとした従来の方針を転換し、60年を超える原発の長期運転を認める電気事業法改正案、政府が日本学術会議の会員選考に第三者を関与させる日本学術会議法改正案なども提出されるという。

昨年末、「安保3文書」に、「反撃能力(敵基地攻撃能力)」の保有を明記したのと同時進行で進んだ防衛費増税の動きに対し、各層から抗議声明や非難が相次いだが、今回、関連法案やその他の法案の強行を目論む政府に対し、抗議の声は止まない。

昨年12月30日、日本学術会議は、日本学術会議法改正案について、「独立性を侵害する政府介入」だとして再考を求める声明を決議。元学術会議会長の広渡清吾・東京大名誉教授などでつくる「安全保障関連法に反対する学者の会」も今月14日に抗議会見を行い、それに続いた。

また再提出される入管難民法改正案については、「あるべき改正の方向性に逆行するもの」だとして関東弁護士会連合会(1月20日)が反対声明を、「民意をないがしろにするもの」だとして移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)など7団体が反対声明を出すなどしている。

(朝鮮新報)

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