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留学生を鎖で拘束、元職員の男が送検

2022年09月28日 14:50 社会を知る~今週のnewsトピック~

日本社会や在日同胞を取り巻くニューストピックを週に一度、紹介する。

留学生を鎖で拘束、元職員の男が送検

昨年の通常国会で廃案となった入管法改正案は、人権保護や救済の観点から多くの批判を招いているが、日本政府はいまだ再提出の動きを止めていない。一方で、外国人に対する差別や偏見に端を発する事件も後を絶たない。

福岡市の日本語学校「西日本国際教育学院」で、ベトナム人留学生が鎖や南京錠で拘束された問題と関連し、今月23日までに、学校の元職員の男が逮捕監禁の疑いで書類送検された。

この問題は、昨年10月、元職員の男が、自分とベトナム人留学生のベルトを鎖と南京錠でつなぎ拘束した動画が、SNSで拡散されたのを機に広まり、後に国が人権侵害行為と認定。学校に今後5年間、留学生の受け入れを認めない処分が出されたが、学校側は処分の取り消しを求める訴えを9月9日に起こしている。元職員の男は「暴れるのでつないだ」と話しているという。

強制不妊の旧優生保護法めぐり各地で提訴

1948年から96年まで施行された旧優生保護法のもとで、不妊手術を強いられたのは憲法違反だとして26日、東京都、愛知県、宮城県に住む6人が、国に対し、1人あたり最高3,300万円の損害賠償を求めて各地で提訴した。

裁判所はこれまで、同種訴訟に対し、控訴審を含めた7件について違憲と判断。今年に入っては、大阪高裁(2月)と東京高裁(3月)が国に損害賠償を命じる判決を出す一方、改正前の民法に規定されていた「除斥期間」(相手の不法行為から20年で賠償請求権が消滅する)を適用し、賠償を認めないケースもある。今回の一斉提訴により、国賠訴訟の原告は31人にふくらんだ。

「優生上の見地から、不良な子孫の出生を防止するとともに、母性の生命・健康を保護する」目的で制定され、本人の同意がなくても不妊手術を認めた旧優生保護法。障害者に対する差別偏見を生み出し、助長してきたこの旧法により、これまで約2万5千人が手術を受けているという。

コロナ入院給付、自宅療養は見直し対象

医療保険加入者が新型コロナ感染時に支払う入院給付金と関連し、生命保険各社は26日から支払いの対象を重症化リスクの高い高齢者などに限定するよう見直した。支払額の大幅な膨れ上がりが原因の一つとされている。

保険各社はこれまで、同給付金の対象を、自宅などで療養する「みなし入院」も含めて、原則全員に対し支払いを行ってきたが、日本政府が感染者の全数把握見直しを26日から行うことを決定。これを踏まえ、26日以降は、コロナ感染に伴う入院給付金の支払いが65歳以上や入院を要する症状がある人などに制限される。

記録的な円安もたらす「愚策」

記録的な円安に止まる気配がない。今年に入り、急速な円安・ドル高が進むなか、今月22日には一時1ドル=145円台をつけるなど、24年ぶりの円安水準が続く。日本円よりも外貨の価値が高まる現状で、仕入れ価格の高騰に苦しむ輸入業者だけでなく、物価高騰により消費者たちの家計負担も増えている。

これを受け、日本政府は、円安を阻止しようと、為替介入を実施。しかし、同日行われた金融政策決定会合では、金融緩和政策の維持が決まり、専門家や経営者からは「出口のない愚策」などといった批判が相次いでいる。

深刻なハラスメント被害、実態調査で確認

芸能、芸術、メディア業界のハラスメント実態と関連した調査結果が今月6日に公表された。一般社団法人「日本芸能従事者協会」による同調査は、6月23日から8月末日までの期間にインターネットを通じて行われ、418人が回答。協会のホームページに公開された調査結果によれば、全体の約93.2%がパワハラを、約73.5%がセクハラを「受けたり、見聞きしたことがある」と答えた。ハラスメントの内容には、「パーソナリティ(人格や個性)を否定された」「面白くない性的ジョーク等の言葉を言われた」などのほか、口に出すのも悍ましい内容が多数並んだ。

回答者の職種は、俳優や声優、モデル、歌手などの「身体を使ったパフォーマー系」が46.2%、編集者、記者、デザイナー、作家など「映像以外のメディア」が30.6%、プロデューサーや監督など「映像関係のメディア」が23.2%。そのうち、女性が67.2%、男性が29.9%、その他が2.9%だった。

今回の調査結果は、各業界のありよう示す一つの指標となる。

(朝鮮新報)

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