公式アカウント

日本軍性奴隷制被害者キム・ヤンジュさんが死去

2022年05月04日 08:00 社会を知る~今週のnewsトピック~

日本社会や在日同胞を取り巻くニューストピックを週に一度、紹介する。

日本軍性奴隷制被害者キム・ヤンジュさんが死去

日本軍性奴隷制被害者のキム・ヤンジュさんが1日、死去した。享年97。日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯(正義連)が同2日に明らかにした。

1924年、全羅北道・鎮安で生まれたキムさんは、17歳で迎えた1940年秋頃に当時の日本の警察に連行され、汽車や船を乗って満州へとたどり着いた。その後現地の「慰安所」で性奴隷としての生活を強いられたという。キムさんは反抗したことで殴られ右耳の鼓膜を損傷、その後、聴力を失った。

1945年8月に朝鮮が解放される数日前、強制的に日本へ連れていこうとした日本軍人により「慰安所」を去ることになったキムさんは、その道中で逃げ、満州にあった朝鮮人の家で隠れて暮らし解放の日を迎えた。その後、朝鮮人避難民に紛れて軍艦に乗り、家族のいる馬山へ戻った。93年に性奴隷制被害者として、南朝鮮政府に登録したキムさんは、昌原で生活を送りながら水曜デモにも参加し、日本軍政奴隷制問題の解決のために活動した。

正義連によれば、キムさんは生前、結婚し開城に暮らす姉を思いながら「一日も早く祖国が統一して姉さんに会いたい」と話していたという。長い闘病生活の末、1日夜9時ごろに亡き人となった。

キムさんの悲報に接し、正義連は「ハルモニが辛い記憶をすべて忘れて、心やすらかでありますように。冥福を祈ります」とコメントした。故人の葬儀は市民社会葬で行われ、葬儀場は馬山医療院葬儀場に設けられる。3日夜に追悼祭が、4日午前8時に出棺が行われる。

キムさんの死去により、南朝鮮政府に登録された日本軍性奴隷制被害者240人のうち、生存者は11人となった。

在日同胞女性によるヘイトブログ訴訟

写真は昨年11月

匿名ブログやツイッターなどで繰り返しヘイトスピーチの被害を受け人権を侵害されたとして、在日朝鮮人3世の崔江以子さん(川崎市在住)が投稿者に対し損害賠償など305万円を求めて起こした裁判の第1回口頭弁論が4月21日、横浜地裁で行われた。

投稿者は2016年「お前何様のつもりだ‼」と崔さんを名指しし「日本国に仇なす敵国人め。さっさと祖国へ帰れ」などとブログに書きこんでいた。崔さんが法務局に訴えたことで当該記事は削除されたが、投稿者は崔さんを逆恨みし、2020年までに70件にのぼるヘイトスピーチを書き連ねた。

Facebook にシェア
LINEで送る