短編小説「労働一家」29/李北鳴


「われわれは、北半部で育っているあらゆる民主勢力と、47年度人民経済計画の完成が38度線をなくし、統一された民主主義朝鮮の政府を建てる礎となり、柱になるということを忘れてはなりません。では、金トンムにはどういう欠点があるのでしょうか…」

職場で信望の厚い職場長の言葉は、たんに達浩や鎮求だけでなく、すべての旋盤工たちへの貴重ないましめだった。

「金トンムは、解放前よりはよくなったものの、まだまだ作業が遅いようです。製品にムラはないが、もっと時間を縮める努力が必要です。作業中、分解掃除に半日も無駄にしたのは労働規律違反と言えます。機械をそのつど手入れするのはよいことですが、作業中はつつしまなければなりません。今、われわれは一刻を争っているのです」

鎮求は「解放前」という言葉にどきっとした。彼がのろまだと指摘されたのは、これで2度目だった。

次に職場長は、多くのトンムたちが職場同士の三角競争に比べて、個人競争を軽視した態度がよくないと指摘した。彼は鍛造、鋳造、旋盤職場の三角競争で、旋盤職場は今日現在は「飛行機」であるけど、出勤率と生産においては「汽車」だと言った。汽車は亀より少しましな方だが…。

達浩は目をつむってじっと考えていた。職場長は、まるで自分の心の内を鏡で見るようにあやまちを指摘した。昨夜のいわゆる「前祝い」をしたことが恥ずかしくもあり、酒飲み友だちが腹立たしく憎らしくもあった。

おろか者め!考えれば考えるほど、すべてがあまりにも軽率だった。今月の給料はそっくり酒代に消えるはずだ。悩んだところで始まることではなかった。

つづいて崔トンムが登壇した。彼は主に建国思想動員運動と結びつけて、工具の節約と労働規律の強化、学習の強化について強調した。

彼は、競争に勝つために学習を怠り、休暇時間に一人で機械を動かすことはよくないと指摘した。

鎮求が自己批判したあとをついで達浩が出て来た。彼は低いかすれ声で韓職場長と崔トンムの批判を心よく受け入れると言ったあと、自分が競争の意義を無視し、ただ鎮求個人に勝つことによって自分の腕前を見せびらかしかった功名心が、以上のような結果になってしまったと告白して詫びた。

(つづく)

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