短編小説「海州―下聖からの手紙」18/キム・ビョンフン作、カン・ホイル訳


「ト、トンム、気でも狂ったの!」

ドーンという音とともに私の胸もつぶれるようで、私、反射的に目をつむると叫びました。

「強度試験だよ」

おっとり答えると、もう一つかれはグワーンとたたきつけました。

驚いたことに、何個かはひびが入ったり変形したりしましたが、大半以上はまったく無傷だったんです。チルソントンムは顔をほころばせながら私の土まみれの手をしっかり握ると、こう言うのでした。

「ミョンヒトンム、トンムのおかげでどうやら成功しそうだよ。あとはこれを大隊長に見せて、正式に海州に送り、機械で試験すればいいんだ!」

私、胸が熱くって、ただうんうんとうなずいていました。かれは身をひるがえすと、大隊指揮部のテントに向かって飛ぶように駆けて行きました。

その日の朝、みんなが見守るなかで、大隊長はブロックの強度を試しました。大隊長はチルソントンムよりもさらに高く持ち上げると、思いっきりたたきつけました。そうして綿密に手でさわってから、

「よろしい、チルソントンム。すぐに海州に人をやろう!」と言うとチルソントンムの手を固く握るのでした。ドッと喚声と拍手がわいたのは言うまでもありません。チルソントンムは例のごとく顔を赤くして、照れくさそうに頭をかきました。

「チルソントンムは飯よりも泡沸石土せいろう餅をうまく蒸すようだから『支配人』は解任しなくちゃならんな、ハハ……」

「本当ですか大隊長!」

チルソントンムはすごい勢いで走りよると、大隊長の手をつかみ力いっぱい振り動かしました。

「おいおい、人の手を引っこ抜くつもりか。どうかね、ミョンヒトンムは熱烈なチルソントンム支持派だったからうれしいだろう?」

私、思わず両手で顔をおおうとそのままテントのなかに走りこんでしまいました。大隊長がそんなことを言ったおかげで、ひょうきん者のパクトンムはその後、私たちを見て「夫婦泡沸石土せいろう餅屋」と呼ぶようになったんです。

兄さん、この泡沸石土せいろう餅がどんなセンセーションを巻き起こしたか、想像がつきますか? 大隊長に言わせれば、あの花崗岩のような強度、クリーム色を帯びた大理石のようなつやは、もともと建築のために生まれたようなものだということでした。うちの工事現場はもちろん、近くの協同組合からもリヤカーが梅花山へ押しよせました。それは文化住宅を造るためなんです。

チルソントンムはその後、ブロック製作にしばらくたずさわっていましたが、それが一段落すると、本来の所属であるひょうきん者パクトンムたちがいる第1小隊に帰ったんです。

(つづく)

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