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〈関東大震災〉朝鮮人虐殺の証言を書籍に/朝鮮問題研究センター、聞き取り調査開始

2022年12月22日 18:23 歴史

関東大震災朝鮮人虐殺100年を来年に控え、朝鮮大学校朝鮮問題研究センターが聞き取り調査を開始した。虐殺犠牲者の遺族や目撃者・体験者の家族らが対象。震災当時の記憶や後世へ託す思いなどを集め、書籍にまとめるという。

同センターは、震災から99年が経過し多くの体験者らが世を去っていくなか、かれらの証言を史料として残すためのプロジェクトを立ち上げた。証言は虐殺の真相究明と責任追及をしてきた在日朝鮮人運動の資料と共に書籍として出版する予定。これは1963年に同校の歴史地理学部(当時)が手がけた震災体験者の証言集「関東大震災における朝鮮人虐殺の真相と実態」に次ぐ虐殺関連証言集となる。

18日には初めての聞き取りが千葉県内で行われ、震災時の虐殺目撃者である文戊仙さん(故人)を母に持つ、尹峰雪さんが語り部となった。

文戊仙さんは1999年、日本弁護士連合会に人権救済申し立てを行った人物。数少ない朝鮮人虐殺目撃者の1人として自身の体験を語りついできた。2003年、日弁連は文さんの申し立てを受け朝鮮人虐殺を「虚位事実の伝達など国の行為に誘発された自警団による虐殺」とし、日本政府に対し「責任を認めて謝罪すべきである」と勧告した。

尹さんは聞き取りに応じた理由について「母が亡くなったら証言できる人がいなくなる。娘の私こそが語り継がねば」と思ったという。聞き取りでは、虐殺が母に残した深い傷、そして母を間近で見てきた自身の思いを語った。

同センターの金哲秀副センター長は「虐殺事件から100年が経とうとしているが、日本政府は事件の真相究明はおろか謝罪すら行っていない。一方で被害者の痛みと苦痛は現在も遺族の精神的苦痛として残っている。虐殺は『おわったこと』ではなく『現在まで続いている問題』として捉えるべき」と警鐘を鳴らす。虐殺から99年、在日朝鮮人に対する差別と弾圧は戦後も収まることはなく、現代もヘイトスピーチ、ヘイトクライムが社会にまん延している。

「まずは真相を明らかにし、そのうえで正式な謝罪と賠償、被害者の名誉回復、再発防止に向けた措置をとるよう、世論を喚起していきたい」(金哲秀副センター長)。

資料集は来年9月ごろに発行予定。同センターでは今後も聞き取り調査を続けるほか、学術シンポジウムなどの開催を予定している。

(金紗栄)

証言の聞き取り調査にご協力ください。

関東大震災朝鮮人虐殺犠牲者のご遺族や体験者・目撃者のご家族の証言を記録し残す事業を行なっております。証言していただける方は下記の電話番号かアドレスにご連絡ください。

連絡先:朝鮮大学校朝鮮問題研究センター

TEL 042-341-1331(代表) 、042-346-0414(センター直通)

kucks@korea-u.ac.jp

 

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