歴史否定に作者ら怒り／朝鮮人虐殺扱った映像の公開中止

昨年、東京都の「人権プラザ」で関東大震災朝鮮人虐殺を扱った作品の上映が都の介入により中止になった問題で、作者や関係者らが1日に都庁を訪れ、中止の理由に対する説明と作品の上映などを求める要請文を約3万筆の賛同署名とともに都関係者に手渡した。

公開中止となったのはアーティストの飯山由貴さんが制作した「In—Mates」（2021）。戦前、都内の精神科病院に収容されていた朝鮮人患者の記録をもとにかれらの葛藤を描いた。映像は「人権プラザ」（昨年8～11月）が主催する飯山さんの企画展「あなたの本当の家を探しにいく」の付帯事業として上映される予定だったが、東京都総務局人権部は映像が「企画の趣旨と合わない」ことを理由に上映を不許可とした。

これと関連し、4日には「アートと検閲」を銘打ったイベントが行われ「In—Mates」の上映会とトークがあった。トークでは飯山さんと、映像に出演した在日同胞ラッパー・詩人のFUNIさんが登壇。政府の介入により出演予定の舞台を降板させられた南朝鮮のシンガーソングライター、リ・ランさんもオンラインで参加した。