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〈Around Korea 立体的情勢分析〉権力維持のために続くガザ戦争/宮田律氏

2024年11月20日 13:26 対外・国際

 

 

 

朝鮮半島関係諸国とその相互関係をめぐる政治・経済・軍事・科学など多岐にわたる分野の今を考察することで、朝鮮半島を取り巻く国際情勢を側面から立体的に描き出す専門家インタビュー。米中ロ日とその関係国をメインターゲットに、朝鮮半島を相対化してこそ見えてくる本質に迫る。不定期連載。

内政混迷のイスラエル、広がるパレスチナへの連帯

イスラエルによるパレスチナ・ガザ地区へのジェノサイド開始から1年以上が経過したが、全面攻撃は現在も続き、中東での紛争は拡大し続けている。殺戮を繰り返すイスラエルに対し抵抗を続けるパレスチナとアラブ諸国、その戦火の行方は。現代イスラム研究センター理事長の宮田律氏に聞いた。(聞き手・金淑美)

宮田律(みやた・おさむ)1955年山梨県生。現代イスラム研究センター理事長。1983年、慶應大学大学院文学研究科史学専攻修了。UCLA大学院修士課程(歴史学)修了。専門は現代イスラム政治研究、イラン政治史。『ガザ紛争の正体』(平凡社新書)など著書多数。

-なぜイスラエルの侵略行為、中東の戦争は止まらないのか。

ネタニヤフの権力維持のために続いている戦争だ。戦争が続いている間は、ネタニヤフが汚職事件の裁判で有罪判決を受けて収監されるということもない。そして戦争の長期化は、ネタニヤフ内閣と連立を組む極右政党にとっても利害関係が一致する。ヨルダン川西岸地区の入植地を拡大したい極右政党にとっては、有罪判決を回避したいネタニヤフが目論む司法改革は都合がいい。裁判所の仕組みが入植地拡大に歯止めをかけてきたからだ。

現在の連立政権は極右政党が離脱すれば維持できない。そのためネタニヤフはかじ取りで極右政党の意向に左右されている。ガザについても、極右政党の意向に沿って、まずは北部からパレスチナ人を追い出して緩衝地帯をつくり、ゆくゆくは中部南部からも追放しようとしている。

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