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〈Around Korea 立体的情勢分析〉平和的台頭をめざす中国の発展戦略(上)/朱建栄氏

2022年03月17日 09:55 対外・国際

 

 

 

朝鮮半島関係諸国とその相互関係をめぐる政治・経済・軍事・科学など多岐にわたる分野の今を考察することで、朝鮮半島を取り巻く国際情勢を側面から立体的に描き出す専門家インタビュー。米中ロ日とその関係国をメインターゲットに、朝鮮半島を相対化してこそ見えてくる本質に迫る。不定期連載。

米の圧力が成長の「追い風」に

数年来、米中新冷戦の構図が深まる中、中国側は米国による対決姿勢にどう対応しているのか。また今秋、5年に1度の中国共産党大会を控える中国が描く発展戦略とは。中国現代史、国際情勢に詳しい中国出身の朱建栄氏に聞いた。上下2回に分けて掲載する。(聞き手・金淑美)

朱建栄(しゅ・けんえい)1957年、上海生まれ。86年に来日し、学習院大学で博士号(政治学)取得。東京大学などで非常勤講師を経て、92年東洋女子短期大学助教授、96年より東洋学園大学教授。専門は、中国の政治外交史・現代史、東アジア国際関係。著書に「中国外交 苦難と超克の100年」(PHP研究所、2012)など多数。

―米国の対中政策の推移について中国側はどのように見ているか。

オバマ政権までは、中国は米国のライバルとしては2番目以下と見なされていた。それがトランプ政権初期の2017年末に国防総省の国家安全保障戦略(NSS)で中国をロシアと並べて最大の競争相手と位置付けた。過去15年間におよぶ反テロ中心の国防戦略から大国中心への転換だった。

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