
〈続・歴史×状況×言葉・朝鮮植民地支配と日本文学 47〉朝鮮と向き合う「痛みとよろこび」/森崎和江①
2022年09月02日 11:00
今年6月15日、作家、詩人の森崎和江が亡くなった。1927年、日本統治下の朝鮮・大邱に生まれ、敗戦前に帰国したが、自分を「日本人」として同定しえない意識のまま、福岡・筑豊の炭鉱地帯の労働民衆とその生活…

【寄稿】「平壌の人びと」奈良展を開催して/森本忠紀
2022年08月31日 09:08
朝鮮通信使がやって来た! 伊藤孝司写真展「平壌の人びと」奈良展(8月11~17日)の実行委員として尽力した森本忠紀さんの寄稿文を紹介する。 奈良で開催された伊藤孝司写真展「平壌の人びと」は毎日が感動と…

〈時事エッセー・沈黙の声 26〉ウトロ祈念館が語る犯行の悪質性/浅野健一
2022年08月26日 11:46
朝鮮憎悪犯罪に正義の判決を ネットなどで何度も映像で見てきたが、現場で見た惨状はあまりにも違っていた。元住宅の倉庫など全半焼した7棟の焼け跡がそのまま保存され、今も火災の後の焦げた匂いがわずかに残って…

〈読書エッセー〉晴講雨読・槇村浩「間島パルチザンの歌」と小説『人間の骨』/任正爀
2022年08月24日 08:00
前回、取り上げた小熊秀雄とともに筆者に強い印象を残した日本の詩人がもう一人いる。「間島パルチザンの歌」の作者である槇村浩である。間島は中国東北部・豆満江以北の朝鮮人が多く移り住んだ場所をさす。

〈民族教育と朝鮮舞踊19〉朝鮮大学校舞踊発表会《????-??? ?》(「継いでいこう-民族の代」)
2022年08月17日 13:00
朝鮮大学校には草創期から、主に芸術・教職課程の学生を対象とした「学校舞踊」科目があり、1世舞踊家の金長安先生が非常勤講師として教えられた(1956.4∼64.5)。先生が祖国に帰られた後は、任善喜先生…

〈ものがたりの中の女性たち59〉恋人である前に「知己」でありたいー妓生弄月
2022年08月16日 13:00
あらすじ 朝鮮王朝仁祖の時代、金(キム)眞性(ジンソン)という十八歳の美しい少年士人は、父の名代で松都の商人李(リ)希(フィ)徹(チョル)に貸した十万両を回収に赴く。そこで眞性は、名高い妓生弄(ロン)…

ウリマルを考える③在日のウリマルとヘブライ語/朴宰秀
2022年08月10日 07:05
前回、在日朝鮮人の民族問題を解決するには、血統と言語、民族性を守りそれを取り戻そうとする帰属意識を育むことが重要だと述べました。今回は、この帰属意識を行動に移すことで2千年間の言葉の空白を埋めた人類稀…

<エッセー>2022年夏の旅/高演義
2022年08月10日 07:00
めぐり来る残酷の季節、被爆を問い直す 近くを流れる小川のほとりの葉群れのあちこちから、季節の花々が顔を覗かせる。猫の額のようなわが家の庭の片隅にも、しっとり雨に濡れたアジサイがいつのまにか花開き、鮮や…

〈続・歴史×状況×言葉・朝鮮植民地支配と日本文学 46〉雑感―言葉の問題をめぐって
2022年07月29日 11:00
私たちにとって言語とは? 文化とは? 前回、目取真俊氏の作品「水滴」を通じて、現在なおも「標準語」たる「日本語」を強制され続ける沖縄、そして朝鮮人ということについて書いた。言葉をめぐる雑感を、もう少し…

〈読書エッセー〉晴講雨読・影絵の国から『小熊秀雄詩集』/任正爀
2022年07月27日 08:00
筆者の本棚で一番重い本は、壷井繁治、金子光晴、小野十三郎らの全詩集である。ここでいう重いとは文字通り物理的に重いという意味である。いずれもプロレタリア詩人・反戦詩人と呼ばれる人たちの限定版で、壷井繁治…