〈歴史の「語り部」を探して〉三重・伊賀編
2024年01月13日 09:00 歴史古来より渡来人文化が花咲き、現在は松尾芭蕉生誕の地、忍者の里として知られる三重県伊賀地方は、都であった京都・奈良や、広く信仰の対象となった伊勢神宮を結ぶ交通の要衝として栄えてきた。
現在、多くの歴史資産が観光資産として脚光を浴びるこの地にも、植民地期、多くの朝鮮人たちが強制的に労働させられた歴史が残されている。
市の掲げる「平和・多文化共生・多様性」のスローガンとは裏腹に、ないがしろにされ、観光地の陰にひっそりとたたずむ歴史の「語り部」を巡る道中は、歴史を学び伝えていく必要性を再確認する過程だった。
〈歴史の「語り部」を探して〉三重・伊賀編では、植民地期に過酷な労働で犠牲になった朝鮮人の供養塔、戦後に育まれた朝日友好を伝える帰国記念石碑、多くの朝鮮人が労働に従事させられた航空基地跡地を訪ねた。
(呉海晶)
いまも各地には、日本による植民地支配や強制連行の痕跡が多数存在し、朝鮮半島にゆかりある場所や遺物もまた、物言わぬ「語り部」として数多く残っている。連載「歴史の『語り部』を探して」では、現代までつづく植民地支配の禍根や、日本のなかの朝鮮ゆかりの地について、紹介していく。
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