公式アカウント

〈歴史の「語り部」を探して〉福岡・筑豊編

2023年06月20日 13:49 文化・歴史

福岡県内にある筑豊地域はかつて、炭鉱の町として栄えた。特に1940年代においては侵略戦争遂行のため必要となった石炭や鉄を大量に産出。一時期は日本で産出される石炭の半分が筑豊炭であるほどだった。それを担保する労働力となったのが強制的に働かされた朝鮮人労働者たちである。

この地には約15万人が強制連行され、劣悪な環境で労働を強いられたといわれる。植民地被支配民族であった朝鮮人は地底の危険な労働現場に立たされ、数多くの命が犠牲となった。

在日朝鮮人2世の裵東録さん(79)はこの地における強制労働の歴史を伝える「語り部」だ。裵さんは90年代から在日1世の母・姜金順(故人)と共に福岡県内の日本学校で在日朝鮮人の歴史に関する講演会を行ってきた。姜さんは、若くして八幡製鉄所に強制連行させられた裵さんの父、故・裵鳳坤さんを追って42年に渡日。生前「嵐の日、関釜連絡船にのって日本に向かった。船の揺れがひどくて生きた心地がしなかったので『神様、助けてください』とお祈りしつづけた」と裵さんに語ったという。

あらゆる辛酸をなめた両親の生涯と朝鮮人の歴史を次世代へ継ぎ、平和な未来をつくりたいという思いで活動を続ける裵さん。かれの案内を受けながら、筑豊地域の歴史の「語り部」を巡った。

(金紗栄)

 

Facebook にシェア
LINEで送る