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〈歴史の「語り部」を探して〉加害向き合う出発点、学習と話し合い/京都編(下)

2022年07月21日 08:00 歴史

引き揚げの陰で

舞鶴クレインブリッジのある場所から、海沿いの道を車で走った。波静かな海を横目に進むこと約10分、蛇行道の先に大きな群像が見えてくる。台座まで含めると4メートルを超えるというこの群像が、浮島丸事件の犠牲者を追悼する「浮島丸殉難者追悼の碑」であった。

爆沈現場を目前にした場所に位置する「浮島丸殉難者追悼の碑」

浮島丸事件とは、「京都編・上」で紹介した敗戦直後の引き揚げと同時期、1945年8月24日に舞鶴湾で起きた爆沈事故である。1937年の竣工後、貨客船として大阪~沖縄間を就航していた浮島丸は、41年には旧日本海軍に徴用され軍艦に。事件は、海軍の輸送船となった浮島丸が、45年8月22日、青森県大湊港を出発した2日後に発生した。

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