〈歴史の「語り部」を探して〉栃木編
2023年10月06日 08:30 歴史「韓国併合条約」によって朝鮮が日本の植民地となった2年後の1912年に完成した黒部ダム(栃木県)。その過酷な建設現場には朝鮮人労働者もいた。
研究者の内海隆男さん(85)がダム建設に関する調査を行う過程で労働犠牲者を追悼する碑(1913年建立)の存在を確認し、今年7月にフィールドワークを企画した。総聯栃木県本部の李在哲委員長や日本市民、朝鮮大学校の学生らが参加したこのフィールドワーク先で、一行は、碑文に「朝鮮 金英七」という名が刻まれていることを発見する―。
〈歴史の「語り部」を探して〉栃木編では、1910年代に県下で犠牲となった朝鮮人労働者の存在を明かす碑や、関東大震災時の朝鮮人の足跡を示す現場を訪ねた。
(康哲誠)
いまも各地には、日本による植民地支配や強制連行の痕跡が多数存在し、朝鮮半島にゆかりある場所や遺物もまた、物言わぬ「語り部」として数多く残っている。連載「歴史の『語り部』を探して」では、現代までつづく植民地支配の禍根や、日本のなかの朝鮮ゆかりの地について、紹介していく。
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