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〈「4.24教育闘争」の構造的理解のために(中)〉是正と償いの道か、優越感の道か/鄭祐宗

2018年04月25日 09:00 主要ニュース

ポツダム宣言をめぐる芦田首相の答弁

香川第1区から25歳で衆議院議員に当選した織田正信は、48年3月29日衆院本会議において、芦田均首相に対する質問を行った。織田議員は「殊にわが国の旧領土の人々や中国の人々に対しましては、過去のわが国の先輩の犯した罪悪を深く陳謝し、今日の日本人の気持ちを理解してもらうよう努力しなければならないと思います。〔中略〕首相の見解はいかがでありましょうか」と質問した。

これを受け芦田首相は次の通り答弁した。

中国、朝鮮等においてわれわれの同胞が犯したる過ちを率直に認めて、これを陳謝することがわが国民の眞意を了解せしめるゆえんであると思うが、どうかという点であります。御承知の通りに、終戦当時われわれはポツダム宣言を受諾いたしたのであります。このポツダム宣言の各条項は、われわれがこれらの土地において犯したる過ちを是正し、これを償うべきある種の行動を規定いたしておるのであります。申すまでもなく、われわれが広く諸外国より信頼を博するのは、単なる言葉ではなくして、厳然たる事実とわれわれの行動とであります。

右の通り48年3月に日本政府は、ポツダム宣言受諾に基づく中国・朝鮮等に対する日本政府としての義務を説明し、(一)中国、朝鮮等において日本の人々が犯した過ちの是正と、(二)過ちへの償いの義務づけの二つを明らかにした。過ちの是正と同時に後段で償いの義務づけを明らかにしたのは原状回復の義務を認識したものである。

35年間の日本統治の期間において奪った朝鮮人のアイデンティティー。原状回復とは一定の行為期間において侵害された行為の結果を適法な状態に回復することである。ポツダム宣言を受諾した日本政府としての義務は、過ちの是正と過ちへの償いによって、朝鮮人のアイデンティティーを適法な状態に回復するようつとめることであった。またそのしかるべき義務を日本政府は認識していた。

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