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記憶、反省、友好の理念を継ぐ運動を/守る会が解散、今後の活動方針を確認

2024年05月14日 15:48 文化・歴史

群馬で第20回追悼集会と総会

参加者は黙とうをささげた

「記憶・反省そして友好」の追悼碑第20回追悼集会(主催=「記憶・反省そして友好」の追悼碑を守る会、以下守る会)が11日、群馬県教育会館で行われた。同胞、日本市民ら約200人が参加した。

追悼集会は、1月29日に群馬県が、県立公園「群馬の森」内に建立された朝鮮人強制連行犠牲者追悼碑を撤去する行政代執行を開始し、2月3日に碑が撤去されて以降、初めて行われた。追悼碑は多くの市民らの反対を押し切る形で、公園内から撤去された。これまでは碑前で集会が行われていたが、2012年以降、碑の撤去を求める排外主義団体が街宣活動を活発化したため、2013年から現在まで、他の場所での開催を余儀なくされている。

集会でははじめに、参加者による黙祷が捧げられた。

続いて守る会の宮川邦雄共同代表、追悼碑裁判を支える会の加藤昌克共同代表、総聯群馬県本部の李和雨委員長、玉村町の石川眞男町長がそれぞれあいさつ、追悼の言葉を述べた。

各団体の代表が追悼のことばを述べた

宮川共同代表は、群馬県による追悼碑の撤去を通じて「政治も司法も危険な道を突き進んでいるということを実感し、怖さを感じた。改めてこの追悼集会の重要性を共有したい」と述べた。

加藤共同代表は「この世の中を少しでもよくしていこうというのが私たちの願いだ。そして、強制連行で犠牲になった方々を真の意味で追悼する方法は二度と日本が戦争をしないことだ。今後も皆さんと共に取り組んでいきたい」と話した。

総聯本部の李和雨委員長は、追悼碑が「犠牲者を弔い、今を生きる者に記憶と反省を示す唯一の象徴であり、友好の未来へとつながるシンボルだった」としながら、「碑が撤去されても、犠牲者の魂は決して消えることはない。追悼の意と歴史の記憶をかみしめ、世代を超えて守り続けることが私たちの責務だ」と今後の運動の発展を誓った。

石川町長は「進むべき道は歴史に依拠し、多くの市民が連帯していくことだ。日朝、日韓友好の未来のために、歴史に謙虚に学び、一歩ずつ歩み続けていきたい」と述べた。

続いて追悼集会では、会場に設置された碑の造形作品を制作した美術家・美術評論家の白川昌生さん、「AR朝鮮人追悼碑」アプリ開発に携わった情報科学芸術大学院大学の前林明次教授が登壇し、作品にかける思いについて語った。

最後に参加者たちが犠牲者を偲び、献花を行った。

歴史修正に加担した自治体

献花する参加者たち

追悼集会に続いて守る会の総会が行われた。

総会はこの間、守る会をはじめ、同胞や日本の有志らが展開してきた追悼碑撤去を反対する諸般の運動に関する総括と今後の活動方針を確認する目的で開かれた。

はじめに守る会の川口正昭共同代表があいさつした。川口共同代表は「(追悼碑が撤去されても)同じ過ちを繰り返すまいと歴史の事実を見つめて未来を築いていこうという思いが変わることはない」としながら、今回の総会を「歴史には必ず波というものがくる。次の大きな波を作り出して運動をより一層広げていくものにしたい」と述べた。

続いて、群馬追悼碑裁判弁護団の下山順事務局長が同裁判に関する弁護団総括を行った。

下山弁護士は、碑の撤去によって「犠牲者たちの尊厳を回復し、歴史の反省から、友好につなげようと努力を重ねてきた市民たちの思いが傷つけられた」とし、今後も歴史を刻み、歩み続けるためにこれまでの過程を振り返った。

下山弁護士は裁判の総括すべき点として、

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