排外主義の連鎖性に懸念/群馬朝鮮人追悼碑に落書き、撤去反対への働きかけも


追悼碑正面のプレート左下に落書きがなされている

群馬県高崎市の県立公園「群馬の森」にある朝鮮人強制連行犠牲者追悼碑で落書きが見つかった。落書きは人の名前が入った赤色のスタンプで2箇所になされており、そのうち一つはアルファベットの「Z」を形作っている。10月29日にフィールドワークのため追悼碑を訪れていた群馬県朝鮮女性と連帯する会が落書きを発見し、連絡を受けた「記憶・反省そして友好」の追悼碑を守る会(守る会)が公園管理者に通報した。

追悼碑になされた落書き

追悼碑をめぐっては、碑の撤去を求める排外主義団体の妨害活動や追悼式で「政治的発言」があったことなどを理由に2014年に設置期間の更新不許可を言い渡した県と、不許可処分の取り消しなどを求める「守る会」(原告)との間で民事訴訟(2014年11月提訴)が行われていた。本訴訟では、2審の東京高裁判決で1審の前橋地裁による原告勝訴判決が覆され、今年6月に県側の勝訴を確定する最高裁判決が下された。

一方、朝鮮のミサイル発射に対するJアラート発出(10月4日)と関連して在日朝鮮人に対するヘイトクライムが各地で相次ぐ中、10月21日に群馬県高崎市のJR新町駅に隣接する公衆トイレで差別的な内容の落書きが発見されたほか、群馬初中に排外主義的な内容の文書まで届いた。そして今回、追悼碑にも落書きがなされた。守る会の藤井保仁事務局長は「これらの一連の流れを切り離して考えることはできない。排外主義思想を持つ団体や個人による在日朝鮮人への攻撃の表れではないか」と懸念を示す。市民団体では今後、群馬県や高崎市に対してヘイトスピーチに関する条例の制定を求める働きかけを行っていく構えだ。

追悼碑裏面のプレート横には、アルファベットの「Z」を形作った落書きがある

追悼碑裁判の最高裁判決を受けて市民団体は8月22日、県に対して山本一太知事との会談を求める要望書を提出した。しかし、山本知事は同25日の定例会見で「裁判で示された司法の判断を県が変えることはない」と発言。県側は行政代執行による追悼碑の撤去を検討している。市民団体は追悼碑の存続許可を得るために、県との話し合いに向けた活動を続けていく。10月24日には市民団体メンバーらと交流を持つ各地の有志たちが県庁前を訪れ、追悼碑の撤去に反対するスタンディングを行った。

(李永徳)