公式アカウント

微力だが無力ではない/李大美

2023年06月27日 12:00 それぞれの四季

20219月から娘たちと共に、朝鮮学校の高校無償化除外に反対するスタンディングを北九州市のとある駅前で始めた。無償化裁判の判決に納得がいかず、この問題を一人でも多くの人に知ってもらうと個人で取り組み始めた活動だ。

初日目は段ボールで作ったプラカードを持ち街頭に立ったが、恐くて顔を上げられなかった。それでも毎週、自分の思いを伝え続けた。時には道行く人に「誰もあんたの言葉に耳を傾ける人なんていないよ」と喚き散らされたりもした。

在日同胞たちは「子どもたちに差別がない社会を」とずっと闘ってきた。私も同じ思いだ。日本政府が無償化制度の理念などに掲げる「すべての子ども」の中に、朝鮮学校の子どもたちも含まれなければならない。だからこそ、何を言われようとも活動を続けた。

休日に参加してくれる仲間もいたが、平日は基本的に私と子どもたちで街頭に立った。そんな中、「一緒にやりましょう」と街頭で声をかけてくれた人がいて、現在はその人と共に毎週木曜日に活動している。「月に何度かなら」と協力してくれる人もいて、前回の参加者は子ども2人を含む6人となった。

「微力だが無力ではない」という言葉を肌で実感している。無償化裁判は終わったが、私たちは決して負けていない。適用実現に向かって着実に動いている。声を上げ続ければ、必ず道は開けてくる。

(福岡県在住、筑豊リボンプロジェクトメンバー)

Facebook にシェア
LINEで送る

あわせて読みたい