朝鮮に現存する朝鮮鐘の中で、名鐘中の名鐘といわれるのが、慶尚北道慶州の奉徳寺の梵鐘である。この鐘は「聖徳大王の神鐘」と称され、新羅の第35代景徳王が死去した父の聖徳王の霊を慰めるため鋳造を命じ、子の恵恭王が完成させて奉徳寺に奉納したものである。
新羅時代の仏教文化の精髄といわれる鐘は唐草模様の装飾が施され、銘文と睡蓮の座に鎮座している飛天が浮き彫りされている高さ3.3メートル、重さ25トンの朝鮮最大の鐘である。この鐘は金属工芸品の最高傑作品として知られているばかりではなく、鋳造にまつわる悲話の伝説から「エミレーの鐘」(注①)とも言われ、鐘の削り屑を飲むと避妊の効果があるとも信じられ、庶民の信仰の対象でもあった。悲話の伝説とは、この鐘の製作が何度やっても失敗するため、幼女を人柱にたててようやく完成したという。ところがこの鐘を突くと「エミレー(お母ちゃん)!エミレー!」と母を呼ぶ悲痛な幼女の声が聞こえるように響くので一名「エミレーの鐘」と名づけられ、有名になった。

エミレーの鐘には銘文と睡蓮の座に鎮座している飛天が浮き彫りされている(拓本)
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