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短編小説「燃える島」9/黄健

「私を許してください! どうかあなたがたと一緒に最後まで進めるように、正しい道からはずれないように、はげましてください」 貞姫は、自分の考えだけを追いながら、そらんじるように言った。 大勲は、黙って机…

〈聴くシンボ〉(1月10日-1月16日)

「聴くシンボ」は、朝鮮新報電子版 DIGITAL SINBOのニュースを音声でお聞きいただけます。同サービスでは、1週間の主要ニュースをピックアップし、毎週日曜日にダイジェストでお届けします。生活のさ…

短編小説「燃える島」7/黄健

まだ消えやらぬ白い星かげの下に黒くうねっている仁川の海は、まるで無気味なものに思われた。黒い海面に浮かぶ大小さまざまの艦艇は、海賊の牙城にも似て、ちらちら見えるそのマストや煙突や砲口や船体やらは、殺気…

短編小説「燃える島」6/黄健

「どうか体に気をつけてね」 「私のことは大丈夫、あなた方こそ、途中気をつけてね……」 「ええ、またきっと会いましょうね……」 「がんばって……」 「あなたもがんばって……」 後ろ髪をひかれる思いで去っ…

〈聴くシンボ〉(1月1日-1月9日)

「聴くシンボ」は、朝鮮新報電子版 DIGITAL SINBOのニュースを音声でお聞きいただけます。同サービスでは、1週間の主要ニュースをピックアップし、毎週日曜日にダイジェストでお届けします。生活のさ…

短編小説「燃える島」5/黄健

二人の仲間にもこの命令を伝えなければならなかったが、それに先立って貞姫は、自分自身わりきれない気持ちに悩まされた。最後のたたかいを前にして、砲中隊の人たちと別れるなどということはついぞ考えてもみなかっ…

〈魅惑の朝鮮観光〉平壌ー文化・芸術施設④東平壌大劇場

短編小説「燃える島」4/黄健

出鼻をくじかれた敵は、上陸をいったん見合わせると、またもや艦砲射撃を開始した。飛行機が真っ黒に空をおおって襲ってきた。それは、島を丸のみにしてしまうかとさえ思われた。 戦闘は、午後の4時近くになっても…