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〈青商会、挑戦と継承の足跡〉Ep.7 さらなる飛躍への土台(5)/「実践型」フォーラムへの転換

2021年04月30日 09:00 主要ニュース 暮らし・活動

「ウリ民族フォーラム2007 in 岡山」でプレートを受け取った千葉県青商会の姜尚賢会長(右)は内心、危機感と焦りを覚えていた

同胞数が比較的少ない「中小県」で初めて開催された「ウリ民族フォーラム2007 in 岡山」は、各地の青商会会員をはじめとした参加者たちに多くの感動を与えた。しかし、翌年のフォーラム開催が決まっていた千葉県青商会だけは、危機感と焦りを覚えていた。「岡山があれほどまで素晴らしいフォーラムを開催できるとは思ってもいなかったから」。姜尚賢会長(中央青商会8代目会長、現・千葉県商工会副会長、52)をはじめとした千葉県青商会の会員らは「岡山フォーラムに負けないものは何か」を真剣に討議し始めた。

会長ら年長役員らは「歴代最高のフォーラム」を実現させようと大いに意気込み、費用を度外視した企画を次々と提案。一方、若手たちは当初こそ会長らの発案に同調していたものの、徐々に「議論が地域活性化とは違う方向へ進んでいってしまうのではないかという焦りを感じ始めた」(呉泳珠幹事長、現・千葉初中教育会理事、48)。そこで千葉県青商会は議論を出発点に戻し、「身の丈」に合ったフォーラムを開催する方向で意見を交わした。「理想だけを追い求めても、参加者たちの心に響かなければ意味がない。何が皆の心を動かすことができるのか」。姜尚賢会長らは、過去のフォーラムを振り返りながら考えた。

2006年の岡山フォーラムで「提案型」された同胞弁護士育成事業は、2008年に「NPO法人ウリハッキョ」として形になった

毎年行われてきたフォーラムは、パネルディスカッションなどを通じて同胞社会の可能性や課題について認識を深める「議論型」がほとんど。地方毎に特色があり、観客たちに多くの問題意識を投げかけてきたのは確かだった。しかし、ある見方では「打ち上げ花火のように一過性のイベントに終わっていた感が否めなかった」(千葉県青商会の李龍大副会長、50)。そんな中、2006年の岡山フォーラムでは「提案型」のプレゼンが行われ、そこで発表された同胞弁護士育成事業が、「NPO法人ウリハッキョ」の発足(2008年)へとつながった。

「青商会が掲げる理想に行動が伴っていればこそ、活動に説得力を持たせ、同胞たちを運動に巻き込んでいける」

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