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〈青商会、挑戦と継承の足跡〉Ep.5 ピョンコマ公演の実現へ(3)/子どもたちを想う「親心」

2021年02月20日 10:30 主要ニュース

平壌学生少年芸術団(ピョンコマ)公演の選考会を経て飛び抜けた才能を持った37人の学生少年たちが選ばれ、中央青商会と万景台学生少年宮殿の間で意見交換を重ねた末に公演で披露する演目が決まった。公演の舞台構成はある程度、順調に進んだ。しかし、本番を迎えるまでに解決すべき事案は他にも山ほどあった。中でも青商会が心を砕いたのは、学生少年たちが身につける衣類や生活用品であった。

1978年の第1回平壌学生少年芸術団公演で同胞たちの熱烈な歓迎を受けるピョンコマの学生少年たち

過去のピョンコマ公演を振り返ると、学生少年たちは祖国で作った団服や父母が持たせてくれた服を持参したうえ、日本に着くや衣料品店で団服などの衣類を新調。さらには、同胞たちの厚意で各地でさまざまなプレゼントを受け取っていた。年端のいかない学生少年たちは、異国の地で初めて触れた同胞愛にいたく心を打たれた。その一方で、現場にいた中央青商会2代目幹事長の李長五さん(現・千葉県商工会理事長)は同じ年頃の子を持つ親として、学生少年たちが抱く「複雑な心境」を感じ取っていた。

「子どもたちは新幹線やバスなどで各地を移動する際も、可能な限り自分の荷物を自分で運ばなくてはいけなかった。移動時の負担を考えたら荷物が軽いに越したことはない。だが日本で作った服も、父母が持たせてくれたものも、手放すことなんてできなかった」

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