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〈声よ集まれ~裁判闘争の現場で 5〉何よりも尊い尊厳/広島・石岡修さん

2017年12月04日 13:46 民族教育

広島県教職員組合執行委員長・石岡修さん

被差別部落出身者の自己を捉えたのは大人になってから。教員として同じ境遇を抱く子どもと寄り添うために実践研究を積み、研究会で朝鮮学校の校長と出会った。その後生徒や教職員同士の交流を深め、朝鮮学校の素晴らしさを実感した。

後に広島で定められた「在日外国人児童生徒にかかわる教育の基本方針」には子どもたちが「民族的自覚と誇りをもって生きることを促すよう努める」とある。これは「民族教育の未来を考える・ネットワーク広島」(2002年発足)の指標の一つ。定期券割引率差別是正や大学受験資格を求めた広島の先進的な運動を振り返ると現状が歯がゆくて仕方がない。

日本の教育現場にも危機感を抱いている。全体主義の押し付けにより個々の多様性が切り捨てられている。そのことに対して「おかしい」と声を上げられず、結果として差別に加担している。教職員の人権感覚を養うのは大きな課題だ。個人の尊厳は最も尊重されるべき基本的人権だから。

眼前の出来事に目を背けることなく、正面から差別の現実を直視しなければならない。そうした世論がマスコミを動かし民心を問うだろう。すぐ側で我が子が酷い仕打ちを受けていたらどうするのか、市民たちは気づくはずだ。

広島の朝鮮学校の卒業生や在学生へ、積み重ねた努力、勝訴への思いは必ず次につながる。

(徳)

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