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「だれいき」を目指して

2024年04月30日 11:56 取材ノート

10回目となる日本軍性奴隷制の否定を許さない4.23アクションが23日と28日に都内で行われた。今年は、スタンディングデモとフェスが催された。

屋内施設で行われたフェスは、パネル展示やアート、音楽などを通じて性奴隷制について考える一方で、参加者たちがあらゆる差別が蔓延る社会の中で抱える悩みや痛み、疑問を打ち明ける場となった。

合言葉は「だれもがいきいきと生きられる社会(だれいき)」。

参加者たちは、各ワークショップの合間に、コーヒーを飲んで本を読んだり、床に座って語り合ったりと、ゆったり過ごせる居心地のいい空間を共有した。

後半にはラップワークショップを通じて、心の奥底にある感情を引き出し、声にしていった。自身の秘める感情や思いを明かすのは簡単ではない。はじめは緊張感が漂っていたが、一人、二人と思いを告白する過程で、徐々にありのままの自分の姿や思いを伝えていった。そこには、その姿や思いを受け入れてくれる空間が出来上がっていた。日常では味わえない、非日常を体験しているようだった。

フェスが終わり、会場の外に出ると、そこにはまた性差別を含むあらゆる暴力が蔓延る社会が待っている。しかし、会場を後にする参加者たちの背中は、こうした非日常を日常に変え、「だれいき」を目指して一歩一歩前に進んでいく覚悟と勇気を見せていた。

(鈴)

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