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〈続・歴史×状況×言葉・朝鮮植民地支配と日本文学 8〉朝鮮戦争と日本文学④松本清張/戦争を隠蔽するものに挑む眼

2018年11月29日 09:00 主要ニュース 文化・歴史

高橋敏夫著「松本清張『隠蔽と暴露』の作家」

今年刊行された高橋敏夫著「松本清張『隠蔽と暴露』の作家」(集英社新書2018.1)は、近年ますます再文庫化や新装版化が相次ぎ、テレビドラマ化や再放送、リメイクが繰り返されるなか、松本清張の人生経験と著作について網羅的に知り、かつ「社会派」としての広がりの所以について、重要な視点から再読し掘り下げるための、良き案内書となっている。

「秘密と戦争の時代に、『黒の作家』松本清張がよみがえる」―すなわち同書は、「『戦後』が『新たな戦前』へと変化する事態」のさなかで松本清張の仕事をあらためて意味づけるアクチュアルな問題意識に貫かれている。「秘密と戦争の時代」とは、過去のことではない。いうまでもなく、2018年現在の日本を指している。

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