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〈取材ノート〉大阪北部地震

2018年07月11日 16:26 コラム

取材ノート「『ドーン』、『ガラガラ』と音がなって、『おしまいや』と思った。『地震や!』と叫んだ時にはもう終わっていて、家の中めちゃくちゃやった。阪神大震災の時はここまでじゃなかった」

6月18日、大阪北部地震のことを、高槻市在住の同胞はこう振り返った。

その日私は、兵庫朝鮮歌舞団の鄭香蓮さんを取材するため、神戸に宿泊中だった。しかし当日、地震により公共交通はすべてマヒ。仕方なく、2駅先まで歩いていくことにした。

しばらくすると、鄭さんから「こちらからも歩いて向かいます。中間の駅で待ち合わせましょう」と連絡が。急いで向かい、話を聞くと「自宅マンションのエレベーターも止まって、階段で降りてきました」とのこと。炎天下、たくさん歩かせてしまい申し訳ありません、と伝えると「歩くの好きなので大丈夫です」と笑顔でこちらを気遣ってくれた。

後日、支援隊と一緒に被害地域を訪ねると、ある同胞女性は被害状況を語りながら「寝たきり状態の息子が家にいなくて良かった」と吐露した。「来月、息子を家に連れてくる段取りをしてたんだけど、まだ病院でよかった。もしいたら、自分の力では覆いかぶさってあげることしかできない」。もし、そうなっていた場合の恐怖は、想像すらできない。

今月に入っては、筆者の地元、広島や岡山などで、豪雨による想像を絶する被害が出ている。被害の状況や精神状態は、人によって全く異なる。心配な日が続く。

(孝)

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