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「安倍晋三は歴史に向き合う能力がない」/ワシントン・ポスト紙が社説

2013年05月07日 11:10 主要ニュース 朝鮮半島

米国のワシントンポスト紙が、「安倍晋三は歴史に向き合う能力がない」と題する社説(4月27日付)を掲載した。全文は次のとおり。

昨秋安倍晋三が5年前にぶざまに投げ出した日本国総理大臣の職を取り戻した瞬間から一つの疑問が浮上した。つまり、彼は国家主義的な衝動―そしてとりわけその歴史修正主義を―抑制して日本のために進歩を遂げることができるだろうかという疑問だ。

今週まではその疑問に対する答えは肯定的に見えた。安倍氏は、日本の瀕死の経済を改革するべく勇敢な措置をとってきた。彼は、稲作農業者のような党内の強力な利益集団が、日本の経済成長を刺激する見込みがある米国その他太平洋諸国との自由貿易交渉に加わることを拒否した。彼は、防衛費支出増大に対する自分のもっともな欲望については控えめに述べた。

今週の彼は、これまでの進展すべてを危険にさらそうとしているかのようだ。20世紀に朝鮮を植民地化したことに対し1995年に日本が表明した公式な謝罪を見直すのかどうかについての国会質疑で彼はこう答えた。「侵略という定義は、学界的にも国際的にも定まっていない。国と国の関係でどちらから見るかで違う」。

韓国や中国政府は当然のことながら、怒りをもって反論した。いかにも、歴史は常に再解釈されている。しかし、事実というものがある。日本は朝鮮を占領した。満州を、そしてそれ以外の中国の領土も占領した。日本はマラヤを武力侵攻した。日本は侵略したのである。ドイツが歴史に正直に向き合うことでヨーロッパにおいてその地位を固めて数十年も経つというのに、なぜ日本の一部の人々には事実を認めることがかくも困難なのか?

韓国、そしてもっときつく中国が、しばしば国内の政治的理由で反日感情を掻き立てるということは理解できる。中国は自国の歴史を歪曲し、また日本とは違って、多くの場合対立する解釈を論議したり研究することを許さない。しかしながら何を以ってしても、安倍氏が今週口をすべらしたような自己破壊的な修正主義の類は正当化できるものではない。

歴史に向き合う能力のなさは、もっと合理的な目標なども損なうことになり、韓国や中国が同様に反対する結果をもたらすであろう。安倍氏には、中国、北朝鮮の防衛費支出や強引な態度に鑑みて日本の防衛力の近代化に有利な計らいをするそれなりの正当な理由がある。彼には、第二次大戦後の米占領軍によって押し付けられた日本の「自衛的」憲法が十分な軍事力で同盟国を援助することを国に許容するかどうかを問うもっともな理由がある。しかし、国内で多くの投票者が疑いをもっている改革を進め、かつ隣国を安心させる彼の能力も、彼が戦前の帝国への郷愁を抱いているようであれば、一気に急落するだろう。

(翻訳は編集部)

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