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〈記憶を歩く〉鳥取・在日朝鮮人1世/朴井愚さん(88、総聯鳥取県本部顧問)

2025年01月16日 08:23 記憶を歩く

祖国解放から今年で80年、在日同胞コミュニティーの形成初期を知る多くの同胞たちがこの世を去った。それは同時に、祖国の分断に苦しみ、植民地宗主国・日本に暮らすという構造的抑圧のなかで生涯を終えた朝鮮人たちが数多く居ることを意味する。このような先代たちの記憶と営みは、明日を担う次世代が、自分たちのルーツについて考え、または向き合った際、欠かせない視点となるのではないか。そしてかれらの声を記録することは、同じルーツをもつわたしたちの役目ともいえるのではないか―。【連載】「記憶を歩く」では、今を生きる同胞たちの原点ともいえる在日朝鮮人1世たちの声から、「ウリ(私たち)」の歴史を紐解く。

流浪し抗った苦労の青年期

昨年、総聯鳥取県本部から一世同胞を紹介してもらい、7月に同県を訪れた。県内に住む2人の一世同胞のうちの1人である朴井愚さん(88、総聯鳥取県本部顧問)の自宅に到着すると、妻である廉貞淑さん(80)が特製チゲ鍋や寿司、メロンでもてなしてくださった。朴さんは「1世たちの人生は、1日では語り切れない」としながら、自身の生い立ちについて語り始めた。

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