〈源流をたどる―食・工・建5〉大阪・T・Yファクトリー
2021年08月10日 13:10 主要ニュース 暮らし・活動汗と油にまみれて
祖国解放後、1・2世の同胞たちは異国の地で生きる術として、焼肉をはじめとした飲食業、遊技業や土木・建築業など、さまざまな事業を開拓し、発展させてきた。古くから同胞、日本市民らに親しまれ、愛されてきたあの飲食店、町工場、会社はどのようにして生まれたのか。連載「源流をたどる―食・工・建」では、1・2世同胞たちのバイタリティと意志を継ぎ、同胞社会、朝鮮学校、自らの家庭のために、今を生きる同胞企業家、店主、社長たちの情熱と苦悩、葛藤を取り上げる。
新型コロナウイルスが日本各地で引き続き猛威を振るっている。商業施設や飲食店、学校などさまざまな施設の入り口には、感染予防のため消毒液が設置され、手指の消毒は日常の一部となった。そんな中、接触感染を防止する足踏み式の消毒スタンドは、画期的な製品として注目を浴びた。
この足踏み式の消毒スタンドを約10年前から開発し、製品化した同胞企業が大阪にある。髙元亨さん(62、総聯東大阪南支部副委員長、大阪府商工会副会長)が代表取締役を務める「株式会社T・Yファクトリー」(東大阪市渋川町)だ。1989年に「髙山製作所」として髙さんが起業した同社では、レーザー加工・ディスプレイ陳列金物や店舗用什器、陳列棚の製造を行っている。