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〈源流をたどる―食・工・建 3〉兵庫・岩本ゴム工業所

2021年05月29日 10:00 主要ニュース 暮らし・活動

祖国解放後、1・2世の同胞たちは異国の地で生きる術として、焼肉をはじめとした飲食業、遊技業や土木・建築業など、さまざまな事業を開拓し、発展させてきた。古くから同胞、日本市民らに親しまれ、愛されてきたあの飲食店、町工場、会社はどのようにして生まれたのか。連載「源流をたどる―食・工・建」では、1・2世同胞たちのバイタリティと意志を継ぎ、同胞社会、朝鮮学校、自らの家庭のために、今を生きる同胞企業家、店主、社長たちの情熱と苦悩、葛藤を取り上げる。

地場産業を支えて60年

岩本ゴム工業所

「靴のまち」として知られる神戸市長田区は、ケミカルシューズ(合成樹脂を使用した靴)をはじめとした靴の関連製品の出荷額が市全体の7割を占めている日本屈指の靴製造業の集積地だ。1914年の第1次世界大戦を機にゴムの需要が急速に高まり、ゴム靴や長靴が量産されていった。20年代に入り、区内にゴム工場が次々と建設されたことが「靴のまち長田」の始まりだ。

この長田区には神戸市内でもっとも多くの在日コリアンが暮らしている。戦後、合成皮革とケミカルシューズの生産地として発展を遂げた長田の靴産業を、多くの同胞企業や労働者たちが支えてきた。

李政史さん

李政史さん(65)が勤める「岩本ゴム工業所」(「岩本ゴム」)もその一つだ。

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