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全国朝鮮歌舞団の合同講習

2015年09月16日 16:40 文化・歴史

“歌と舞で同胞たちに喜びを”

全国朝鮮歌舞団の合同講習が8月31日から9月4日に金剛山歌劇団(東京・小平市)で行われ、東京、東海、京都、大阪、兵庫、広島、福岡の朝鮮歌舞団団員ら25人が参加した。今回、歌劇団で初の開催となった5日間の合同講習は、各地で奮闘する団員たちのレベルアップをはかるとともに、全体の足並みをそろえるうえで有意義なものとなった。

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金剛山歌劇団で専門的な指導を受けた参加者たち

講習では、総聯中央の金誠勲宣伝文化局長の講義に続き、朝鮮大学校や金剛山歌劇団などの専門家による話術、舞踊、声楽の指導を受けた。

講習期間、話術練習では、朝鮮大学校文学歴史学部の李汕玉語文学講座長が、朝鮮語として不自然なことばの使い方や発音を正し、意味を考えながら台詞を読むことなどを重点的に指導。また公演先での挨拶の練習などにも注意が注がれた。

舞踊組では、金剛山歌劇団・按舞家の康秀奈さん(人民芸術家)が、バレエに加え朝鮮舞踊の基礎練習、基本動作、作品練習を指導し、声楽組では、朝鮮大学校講師の姜容子さん、歌手の全明華さんが講師として駆けつけ、ボイストレーニング、アンサンブル練習など、3日間パート別に徹底して声楽の指導に当たった。

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団員たちは康秀奈さんに朝鮮舞踊の基本動作を学んだ

講習4日目の午後には、文芸同中央の金正守委員長の参加のもと、講習期間の練習成果を発揮する発表会が行われた。

全明華さんは、「今回は、私が祖国の専門家から学んだ技術を、団員たちにそのまま伝えたいという気持ちで指導に励んだ」と述べた。

「練習を重ねるにつれ、団員たちの発声が見違えるほど変わった。こうして学ぶ機会さえあれば、技術は伸ばせる。団員たちどん欲に学ぶ姿勢を歌声から感じ、思わず涙が出てしまった」とし、創団から50周年の節目を迎える歌舞団を、今後も魅力いっぱい輝かせてほしいと話した。

DSC_0057_R同じくボイストレーニングにあたった姜容子さんは、「毎年講習に参加しているが、団員たちの顔を見ると疲れが吹き飛ぶ。歌舞団団員たちの歌声は、私の心に響く。私の自慢だ」と感慨深げに語った。

康秀奈さんは、「歌劇団にはできない大仕事を、同胞たちの中でしているのが歌舞団だ。異国の地で芸術や文化を通して、民族の心を守る活動を共にできることが誇らしい」としながら、「講習に励む団員たちの姿を見て、同胞たちが朝鮮の歌や踊り、そして巧みな話術に笑い、喜ぶ姿が目に浮かぶようだ。講習で身についた成果を、各地域で存分に発揮してほしい」と期待を込めた。

地域に根づいて50年

総聯の結成から今年で60年。それと時を同じくして東京、京都、大阪、東海計4つの朝鮮歌舞団が、今年創団50周年を迎える。

大阪歌舞団に入団して7年目の舞踊手・玄和菜さん(25)は、「歌舞団は、異国で暮らす同胞たちが、祖国の歌と舞に触れ、日常のふれあいの中で民族の心を感じる大切なものとなっている。先代から50年も引き継がれた貴重な舞踊が、ただ好きではじめた私の中に根を下ろしつつある。これからも文芸活動家として研さんを積んでいきたい」としながら、「同胞サラン、歌舞団サランが生まれるように、地域に根づいた民族文化を守り継承していきたい」と意気込んだ。

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京都歌舞団の歌手・呉明姫さん(27)は、「入団8年目にして、歌舞団の役割の重み、背負っている歴史を実感している」と話す。

祖国解放70周年を迎えた今年、公演先で同胞たちと話し合うたびに、歴史を継承していくことの難しさについて考えたという。

「気軽に『同胞社会のために』とは言えない。ウリ文化、ウリ民族がいいと、心から思ってくれるような、一体感あふれる舞台を常に模索しながら練習に励んでいる」と語った。

 

「地方の歌舞団に比べれば条件は恵まれているが、今も昔も同胞たちの支えで活動が成り立っていることに変わりはない」と話すのは、東京歌舞団の歌手・朴成熙さん(28)。

創団50周年を迎え朴さんは「歌舞団は生きている」ことを伝えたいという。

「同胞たちのなかに入り、同胞たちが朝鮮の文化や芸術に触れ、心を弾ませることができたら本望だ。歌、踊り、映像のすべてに、祖国と民族を想う気持ちを込めて演じたい」と力強く話した。

同日の夜には、歌舞団と金剛山歌劇団の団員たちとの交流会を兼ねた焼肉パーティーが同施設で行われ、5日間の講習期間を振り返り、話に花を咲かせていた。

(韓賢珠)

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