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東京・渋谷で絵本原画展

2013年09月10日 15:36 お知らせ イベント案内 文化・歴史 文化
画家・金斗鉉さん

画家・金斗鉉さん

ふるさとの平和を望む、画家の金斗鉉さん

7日から東京・渋谷のギャラリーTOMで、絵本原画展「ふるさと60年 ―戦後の日本とわたしたちの歩み―」が開催されている。福音館書店創立60周年を記念して出版された絵本の著者は、歌人の道浦母都子さん。絵を金斗鉉さんが手がけた。

金さんは1953年、ソウルで生まれ、日本人の母とともに9歳の時にはじめて来日した。「鉄腕アトム」や「鉄人28号」などの少年漫画に魅せられ、雑誌の付録に夢中になったという。その後、18歳で日本に移住し、現在はイラストレーターとして活躍しながら、絵を描けない大人を対象にしたワークショップや、ネパールの子どもたちへの絵画支援などを行っている。

絵本は、1946年から現在に至るある町の移り変わりと人々の暮らしを、定点観測の手法で丁寧に描いた作品だ。とくに子どもの遊びや働く人々の姿、表情などが緻密に表現されていて興味深い。金さんは言う。

「子どもの遊びはどこにでもある。例えば、『1946年の夏』に描いた、古い自転車のわっかを、走りながら転がす『たが回し』。これなんかは、朝鮮半島、中国ばかりが、エジプトでもやっている。面白いと思わないかい?」

絵本は、「昔の子どもたち(祖父母の世代)」から、「未来の大人たち(今の子どもたち)」まで家族3世代が楽しめるものとして構成されている。児童文学者の松居直さんは、本書に次のような文を寄せた。

「戦後、私たちは『生きる』ことを取り戻し、生き抜くことが最大の課題となった。『生きる』ことは、自分だけが生きるのではなく、家族や隣人や友人がともに力を合わせ助け合って生きること、そして自然を大切にすることだ」

チラシ金さんが描いた日本の原風景。ここには、戦後60年の歴史を振り返り、未来の夢を描いてほしいとの願いが込められている。

展示会は23日まで。会期中は、朝鮮朝時代の民族画の展示販売も行われる。

ギャラリーTOM、10:30~18:00。■03・3467・8104。

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