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〈人物で見る朝鮮科学史 65〉中世末期の科学文化(4)

2008年08月29日 00:00 歴史

朝鮮地理学の百科全書的書籍

「世宗実録・楽譜」

「世宗実録・楽譜」

中世は世界史的に見れば15世紀までであるが、朝鮮科学史の場合は16世紀までが中世と区分される。というのも、西洋ではガリレオ、ニュートンによる力学の形成によって近代科学の幕が開くが、朝鮮を含む東洋ではそのような展開はなかったからである。同時に、16世紀まで朝鮮の科学技術は中世的特徴を色濃く残していたからである。

では、その特徴とは何だろうか?

まず、封建身分制度の下でおもに王の命によって科学技術が発展したということである。ということは、反対に当代の王にその意識がなければ大きな科学技術発展は望めないということになる。

事実、世宗時代の華々しい展開に比べて燕山君時代は特筆すべきことがなかった。ちなみに、朝鮮の歴代の王は死後に送られる謚号(おくり名)で呼ばれるが、暴君といわれた燕山君にはそれが与えられなかったのである。

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