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〈人物で見る朝鮮科学史 57〉測雨器と気象学 番外編

2008年05月30日 00:00 歴史

「科学帝国主義」の象徴

総督府仁川観測所

総督府仁川観測所

1917年に朝鮮総督府観測所は、所長であった和田雄治の研究論文を一つにまとめた「朝鮮古代観測記録調査報告」を刊行した。ここには測雨器とそれによる降雨量記録をはじめ朝鮮における地震や黄砂の記録、そして瞻星台に関する調査などの論文が掲載されている。いずれも、その分野の最初の研究といえるが、日本人である和田雄治が、なぜ、そしてどのような研究を行ったのか? いずれ深く追究したいと考えていた。

契機となったのは2003年神戸大で開催された「東アジア環境史・気候変動国際シンポジウム」である。主催者から「朝鮮科学史の観点から見た朝鮮半島の気候の歴史」という表題で講演を依頼され、ソウルにおける降雨量記録の発掘を中心とした和田の業績について報告を行ったのだが、参加者の関心も高く、あらためて和田に関する研究が必要であると強く感じた。

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