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〈取材ノート〉恩の行き先

2018年01月18日 13:27 コラム

各地で行われた成人式。色とりどりのチョゴリや新しいスーツに身を包んだ新成人たちが揃って口にした言葉がある。「恩返しがしたい」。どこの成人式でも繰り返されるこの言葉に、以前見た「ペイ・フォワード」という映画を思い出した。取材ノート

普通、何かを「返す」ことを英語で「ペイ•バック」という。文字通り何かを「バック(後ろ)に戻す」という意味だ。この場合そのやりとりは、当事者間だけに限られる。しかし、映画のタイトルになった「ペイ•フォワード」は、後ろではなく、「フォワード(前)に返す」ことを意味する。映画の主人公の少年は、無関係の3人に親切をし、その3人に別の3人に親切をするように頼む。その「恩返し」を際限なく連鎖させることで、世の中を良くしようとする、そんなストーリーだ。

成人式で繰り返し耳にした「恩返し」も、受けた恩を単に「戻す」という意味ではなかった。岡山の李礼奈さんは「自分が教員になり、立派な学生を育てることで恩返ししたい」と話し、広島の崔晃彰さんは「育ててもらった恩を、朝青活動を通じて返していけたら」と話した。考えてみると、同胞社会はこの奇特な行いの連鎖で成り立っているようにも感じられる。

ちなみに映画「ペイ・フォワード」は、ハッピーエンドともバッドエンドとも取れる結末を迎える。果たして同胞社会の「恩返し」の連鎖は、どこに行きつくのだろう。

(孝)

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