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「日朝」の政治利用

2012年11月21日 12:19 春・夏・秋・冬

朝・日会談は非公開で行われる。記者は、外務省関係者のブリーフィングを情報源とするので憶測報道の余地が大きい。時には、意図的なミスリードもある。 

春夏秋冬▼ ウランバートル会談の開催中に日本政府が「横田夫妻訪朝」について朝鮮側と非公式協議を始めたとの報道があった。実際は、朝・日間にそのようなやり取りはなかったが、自民党の安倍総裁は「訪朝」計画によって政権浮揚を狙う民主党は「北朝鮮の思うつぼ」と発言した。今回の会談にマイナスイメージを与えたい野党の思惑が見える。

▼ 総選挙を控えた安倍総裁は、「拉致問題の解決は、『対話と圧力』の圧力に重点を置いた交渉で初めて成果を得ることができる」と政権交代の必要性をアピールすることも忘れなかった。旧態依然たる強硬論だが、説得力がない。安倍政権時代にも朝・日会談は行われた。二度目の会談で日本側は従来の圧力路線を修正し、“平壌宣言にもとづき国交正常化の早期実現に向けて努力する”と朝鮮側と合意した。

▼ 約束が反故になったのは、会談直後に総理が政権を投げ出してしまったからだ。今回、ウランバートル会談で、双方は「協議継続」で一致した。総選挙後の政治情勢は予断を許さないが、対話による問題解決は、日本側の態度如何による。強硬論で世論を煽り、日朝関係を国内政治に利用する悪習は断ち切られるべきだ。(永)

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