公式アカウント

〈それぞれの四季〉私の憧れ/沈永俊

私には憧れがある。それは「朝青員から訪問されること」だ。 姉が地域朝青の役員だったことや、高級部の時に行った夏期社会実践活動がきっかけで、私は東京中高卒業後からなんの疑問も持つことなく朝青活動に参加し…

〈それぞれの四季〉「故郷」/朴美順

歩くことが好きで早朝散歩によく出かける。美しい日の出や季節ごとに咲く花、木々の緑から元気をもらう。朝の澄んだ空気は格別だ。 でも、ここは私の国ではないんだと心の奥で思っている。 愛着がもてない、どこに…

〈それぞれの四季〉糧/宋和淑

「理不尽な社会への怒りや自身の問題意識が研究を進める上での糧になる」。私にとっての「糧」とは何だろう。 私は自身の「民族性」を労なくして得られる環境にいた。恥ずかしながら、民族教育という選択を諦めなけ…

〈それぞれの四季〉映画「82年生まれキム・ジヨン」/宋和淑

映画「82年生まれ キム・ジヨン」を観て心が震えた。映画の終盤、ミスク(ジヨンの母)の泣き叫ぶ姿は、現代女性の痛みや叫びを凝縮しているようで涙が止まらなかった。

〈それぞれの四季〉「『ニョメン』が憧れだった」/朴美順

留学同大阪の盟員だった頃、8.15(パリロ)大会に参加したことがある。 一世のハルモニ、ハラボジからウリマルを喋る幼稚園児まで各世代のトンポが集まり出会いを楽しんでいた。その中で最も輝いて見えたのが女…

〈それぞれの四季〉もどかしい想い/宋和淑

「何が、カン・タダマサだ」 朝鮮の苗字に日本名を名乗る人に対して言い放たれた言葉をふとした瞬間思い出す。 (「朝鮮性+日本名」ってそんなに悪いことなの?)まだ幼かった私はその言葉に疑問と違和感を拭えな…

〈それぞれの四季〉下駄を脱ぐこと/宋和淑

4、5年ほど前、ある授業で国際機関に従事する日本人職員の方がゲストスピーカーとして話してくださった。質疑応答時に「日本には朝鮮学校という民族学校があり高校無償化制度から朝鮮学校だけが除外されています。…

〈それぞれの四季〉「朝鮮籍」と臨時パスポート/朴美順

「朝鮮籍」のため故郷に行けなかったハルモニ。いつも白いチョゴリを着てコムシンを履き、銀色のピニョで髪を纏めていた。日本語を話すのを聞いたことがなかった。 私もいつの間にか還暦を過ぎ、故郷の親戚にも会っ…