【寄稿】東北アジアの平和と安定のカギ・朝鮮半島/浅井基文
2014年08月29日 12:35 主要ニュース対北外交で硬直するオバマ政権、追従する朴槿恵政権
東北アジアの平和と安定のカギとなる朝鮮半島情勢を考える上で注目すべき要素を整理して提示したい。
強行策は限界
まず国際的要素。1945年以後の朝鮮半島情勢は米国の戦略・政策によって支配されてきたが、その米国が内外の諸要因によってかつてない苦境に立っている。ウクライナ情勢によって米露関係は決定的に悪化した。オバマ政権は経済制裁によってロシアを追い込もうとしているが、プーチン政権が屈伏する兆候は皆無だ。中東問題(イラク、シリア、リビア、パレスチナ、アフガニスタン)でもオバマ政権は進退両難に陥っている。アジア回帰・リバランス戦略に基づく中国「封じ込め」(領土問題での日越比に対する後押し)も、中国の断固とした対応の前に顔色ない。国内の財政的経済的困難も加わり、米国が世界一極支配を続けることも強硬な対朝鮮半島政策を継続することも限界に来ている。