〈朝鮮民族の美 27〉新羅の王冠(5世紀、慶州市金冠塚出土)


10点ほど知られている新羅の金冠の中で、もっとも代表的なもの。

1921年、慶州の路西洞のある民家の裏庭で、偶然に古墳があることが分かり、発掘が行われた。

高さ27.5cm、径19cm、垂飾28cm、ソウル・中央博物館

帯輪の上に3本の樹枝形立飾りと2本の鹿角形装飾を付けた典型的な金冠と言える。樹枝形立飾りの枝は3段で、幹は広くて大きく、枝の部分はやや細くなっている。

この金冠は、同じ古墳から同時に発見された精巧な透彫の文様を持つ金板を組み合わせて作られた細長い山形の金製冠帽(高さ17.6cm)とセットとなっている。

王は外出の時、まず冠帽を被り、その外側を飾るために、冠帽の周りに金冠をめぐらせたのである。

この金冠と冠帽を着け、王が太陽の光の中を歩む時、57個の勾玉は青く輝き、133個の瓔珞はさらさらと音を発しながら、太陽の光を無数に反射させ、王の権威を一段と高めた事であろう。

そのうわさを伝え聞いた伽耶の王たちも、金冠に勾玉と瓔珞を着け、部下を従えて、太陽の光を浴びて、自己の権威を示そうとしたのである。太陽神を身近に引き寄せるものとして、黄金製の王冠は、古代から権力者の装身具として重要なものであった。

(金哲央)