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安保3文書改定に非難集中

2022年12月21日 10:30 社会を知る~今週のnewsトピック~

日本社会や在日同胞を取り巻くニューストピックを週に一度、紹介する。

安保3文書改定に非難集中

16日、日本で「反撃能力の保有」が記載された新たな安全保障関連3文書が閣議決定された。加速の一途をたどる日本の軍備拡張に向けた動きは、周辺諸国や日本市民らの懸念を高めている。

朝鮮外務省代弁人は20日に発表した談話で、日本の「反撃能力」について「合法的な自衛権保有とは全くかけ離れた、徹頭徹尾、他国を打撃するための先制攻撃能力」とし、「どれほど憂慮し、不快に思っているかを実際の行動で示していく」との姿勢を示した。

一方、中国外務省の汪文斌副報道局長は安保3文書の改定について、「中国の脅威を誇張して自らの軍拡の言い訳とするたくらみは、思い通りにならない」と反発。中国共産党機関紙・人民日報の傘下にある環球時報も社説を通じて、「中国を脅威と見なせば、(実際にそうでなくとも)本当の脅威となってしまう」と警告を送った。

今回閣議決定された安保3文書には、最上位文書「国家安全保障戦略」に愛国心に関する記述が盛り込まれるなど、自衛隊の活動に肯定的な世論の形成を目指す目論見が窺える。一方、南西諸島の防衛強化が安保3文書で明確に打ち出されたことで、隣国との軍事対立の最前線に立たされる危険性がさらに高まった沖縄をはじめ、日本各地で安保3文書に反対する抗議集会、デモなどが行われている。

差別投稿放置のヤフーに削除要請

ニュースサイト「ヤフーニュース」 に8月28日付で掲載された朝鮮学校無償化問題に関する記事に、多数の差別コメントが投稿された問題をめぐり、12月14日、差別禁止条例の制定を求めている市民団体のネットワークが記者会見を開いた。

ネットワークは、ヤフー側に投稿の削除を求める要請文を送ったことを明らかにした。ヤフー側は24時間体制で差別投稿を規制する義務を負っているにもかかわらず、前述の記事に投稿されたヘイトスピーチやデマを削除せずにいた。記者会見で発言したネットワークの共同代表は「言葉の暴力を放置している」と、ヤフー側を批判した。

「731部隊」の証言、展示見送りに反発 

5月に開館した長野県の飯田市平和祈念館で、旧日本軍「731部隊」が捕虜に対して人体実験を行ったなどと証言した元隊員4人のパネル展示が見送られている。この理由について、市教委は「公の施設として内容を判断した」と説明している。しかし、証言資料を提供した市民団体が反発し、証言の展示に向けた交渉に乗り出しているほか、「史実の隠蔽だ」と非難の声をあげる専門家らもいる。

長野県では、松代大本営地下壕工事で犠牲となった朝鮮人労働者の追悼碑があり、95年の碑の建立以来、毎年追悼式が行われるなど、日本の侵略と加害の歴史を後世に伝える活動が地道に行われてきた。歴史否定の流れに抗う地域的風土もあり、平和祈念館を訪れる人々からは、展示見送り決定の再考を求める声が相次いでいるという。

三菱マテリアルが中国人元労働者に「謝罪金」

第2次世界大戦中に日本へ強制連行された中国人の元労働者との和解に基づき、三菱マテリアル(旧三菱鉱業)が、これまで元労働者側1290世帯に1億2900万元(約25億円)の「謝罪金」を支払ったことが11月28日に明らかになった。同日付の中国共産党の機関紙、人民日報が報じた。

三菱マテは1人あたり10万元(約190万円)を支払うことなどを主な補償内容として、2016年6月に3765人の中国人元労働者らと和解。19年から「歴史・人権・平和」基金を通じて、和解金を支払ってきた。

このような日本の姿勢は、朝鮮植民地支配下における強制徴用問題への対応とは対照的である。日本政府は、新日鉄住金(旧新日本製鉄)に強制徴用被害者たちへの賠償を命じた南朝鮮の大法院(最高裁)判決(2018年10月)をめぐり、個人の賠償請求権が1965年の韓日請求権協定で「完全かつ最終的に解決した」と主張するなど、朝鮮植民地下で犯した人権侵害に真摯に向き合おうとしていない。

自衛隊性暴力問題、5人が懲戒免職

陸上自衛隊に所属していた元1等陸士の女性が複数の男性隊員から性暴力を受けた問題で、防衛省は15日、性暴力に関わった隊員5人を懲戒免職とするなど、男性隊員計9人の処分を発表した。性暴力を巡り、一度に5人が懲戒免職となるのは極めて異例。被害者側は、加害者3人から示談交渉を打診されているが、「(加害者側が)事の重大さを軽く受け止めているのではないか」という考えから、改めて見解表明を求めており、加害者側の返答によっては民事訴訟や国賠訴訟も検討するという。

(朝鮮新報)

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