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〈源流をたどる―食・工・建8〉岐阜・焼肉「花本屋」

2022年07月11日 12:35 暮らし・活動

地域に愛され59年

祖国解放後、1・2世の同胞たちは異国の地で生きる術として、焼肉をはじめとした飲食業、遊技業や土木・建築業など、さまざまな事業を開拓し、発展させてきた。古くから同胞、日本市民らに親しまれ、愛されてきたあの飲食店、町工場、会社はどのようにして生まれたのか。連載「源流をたどる―食・工・建」では、1・2世同胞たちのバイタリティと意志を継ぎ、同胞社会、朝鮮学校、自らの家庭のために、今を生きる同胞企業家、店主、社長たちの情熱と苦悩、葛藤を取り上げる。

 辞典によると「聖地」には「特定の分野において重要な場所。あこがれの場所」とある。とりわけポーツの世界では、高校球児の「聖地-甲子園」、高校ラグビーの「聖地-花園」など、競技者にとって特別な場所が数々存在する。

岐阜県瑞浪市の焼肉「花本屋」は、愛知県を本拠地とするプロ野球球団のファンにとって「聖地」となっている。

きょうだいを養うため

「花本屋」は1963年に全達男さん(86)によって創業された。地域では59年の歴史をもつ老舗の焼肉屋として知られる。しかし、創業までの道のりは決して簡単なものではなかった。

「花本屋」

6人きょうだいの長男として慶尚南道で生まれた達男さんは15歳で

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