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日本の教育の商業化/韓翔昊

2023年10月30日 09:00 それぞれの四季

留学同同盟員たちは現在、毎年11月末に朝鮮大学校と合同で行われる在日朝鮮学生学術研究討論会に向けて論文を執筆中だ。論文執筆にあたっては「この研究を今進めていく意義は何なのか?」が強く問われる。要するに、いかに主体的に活動し、その中で育んだいきいきとした動機によって書かれたものなのか=「主体的な学びであるのか」が問われるのである。

一方で普段学生と接しながら、日本の教育が商業化し「主体的な学び」ではなく「実用的」で「社会の役に立つ教育」を押し付け、右傾化していっているように感じる。ここで言う「社会」とは資本や権力と同義であり、「学びの主体」は無視され、教育が人を選別する秤、経済的な篩になってしまっている。そこに絶対的に欠けているのはマイノリティの視点である。

留学同では民族の歴史や運動の歴史について学ぶ機会が多いが、それらを学ぶうえで不可欠なのは被害者、犠牲者、マイノリティの視点だ。右傾化する日本社会/教育において少数派の論理は常に虐げられ抑圧される。日本社会における「正当な在り方」を強いられ、そうでなければ虐げられて当然という論理がまかり通っている。朝鮮学校の無償化除外はその最たる例だろう。私たちには、いかにマイノリティの視点に立ち、主体的に学ぶのかが問われている。

(兵庫県在住、留学同兵庫専従活動家)

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