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周知の一翼を担う

2023年10月25日 09:00 取材ノート

朝鮮新報社に入社して半年が経ち、多くの現場を取材した。各地域には朝鮮学校や朝鮮半島にルーツを持つ子どもたち、同胞社会を守ろうと勤しむ同胞らと、それに負けず劣らず力を尽くす日本人らの存在があった。

「私たち日本人こそ、この問題に向き合わなければならない」「在日朝鮮人の手を煩わせず、日本人の力で解決を目指さなければ」。そう話すかれらへ連帯活動に取り組むこととなった発端を問うと、「社会に出た後」に何かしらの行事、繋がりから在日朝鮮人や朝鮮学校を知り、問題意識を持つようになったという答えがほとんどだった。今でこそ活動に尽力するかれらも、「数年前までは在日朝鮮人の存在すら知らなかった」という。

かれらの答えは日本学校での教育の不十分さを裏付けている。日本学校に12年間通った筆者の経験からしても、学校で在日朝鮮人についてや、朝鮮半島と日本をとりまく、植民地支配などの日本の加害の歴史について教わった記憶はない。日本の教育現場で、私たち在日朝鮮人は歴史と共に存在をも隠ぺい、否定されているのが現状だ。

取材を通じ、私たちの存在を周知することの重要性を感じた。現在は、SNSの発達により不特定多数の人へ情報を行き渡らせることが容易にできる。新時代型の宣伝を根気強く持続的に行うことが、朝・日連帯の輪を拡大するうえでカギを握るだろう。その一翼を朝鮮新報が担うためにも、各地で奮闘する同胞の活動や思いをより多くの人へ伝える術を模索していきたい。

(忠)

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