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〈朝大専門家の深読み経済1〉日本経済の金融化とは?/卞栄成

2023年04月18日 15:22 寄稿

2005年に発足した在日本朝鮮社会科学者協会(社協)朝鮮大学校支部・経済経営研究部会は、十数年にわたって定期的に研究会を開いています。本欄では、研究会メンバーが報告した内容を中心に、日本経済や世界経済をめぐる諸問題について分析します。まずは、金融論を専攻する朝鮮大学校経営学部副学部長の卞栄成教授が、日本経済の現状について(全3回)月1回解説します。

現在、日本経済の現状を表す指標やキーワードは枚挙にいとまがない。今回は、経済の金融化をキーワードに、日本経済の現状について分析する。その時々の歴史的現実から「問題をどう設定するか」が決定的に重要であるが、経済の金融化という視点から日本経済について考えてみたい。というのも、経済の金融化が進展する過程で、不況が深化したり経済格差が拡大しているからである。

「経済の金融化論」をめぐっては、欧米諸国において米国の金融化に関する研究が盛んに行われてきた。それに比べると、日本の金融化に関する研究は少ないのが現状である。経済の金融化とは何かについては、論者によって違いがあり、分析する視点も多様である。

さしあたり一般化していえば、経済の金融化とは、経済のなかで金融の占める位置が重要となり、実体経済を大きく上回って金融部門が膨張する現象である。また、企業収益のなかで金融収益の占める割合が増加する現象だといえる。

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