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〈戦時文学から見る朝鮮戦争 2〉戦争第一段階の文学(1)/洪潤実

2023年04月05日 08:00 主要ニュース 共和国

決死の勇敢さの淵源とは

「海が見える。巨済島が見える。まさしくここが南の海なのだ」——

これは1950年9月17日、金史良(小説家)が記した従軍記の末尾である。

苛烈な戦闘を経て、戦線の最南端に位置する西北山の頂上に金は立った。振り返れば高地には敵・味方の屍ばかり—。朝焼けに染まる朝鮮南海を前に、人民軍兵士は互いに抱きあって泣いていた。「同務たちよ突撃、前へ!」。金は力強い筆致で突撃を唱えたが、皮肉にも人民軍の後退は始まっていた——。

朝鮮では朝鮮戦争を四段階に区分している。戦争の第一段階(6.25-9.15)は、破竹の勢いで南下した人民軍が、朝鮮半島南部の90%を解放した期間までを指す。

この期間は小説よりも機動的である政治論説・従軍記・戦闘記・英雄伝記が多数発表された。中でも人気を博したのは金史良の従軍記であった。

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