〈告発から45年~裴奉奇さんが伝えたこと〉切り開かれた道
2022年05月18日 15:33 歴史1991年8月、自身が被った日本軍性奴隷制被害について証言した金学順さんの勇気ある行動は、その後、日本の国家戦時暴力に対する責任追及と被害者救済を求める運動を世界規模で本格化させた。しかし、その10年以上も前に、自身の被害を告発した朝鮮人女性がいる。かのじょの名前は、裴奉奇。朝鮮が日本の植民地支配下にあった1914年、忠清南道・礼山に生まれ、日本の侵略戦争に伴い設置された沖縄・渡嘉敷島の軍「慰安所」で性奴隷生活を強いられた。裴さんは、その後沖縄で確認された、ただ一人の被害者であった。
日本の出入国管理政策により一方的にトラウマを暴露され、その後に続く各紙メディアからの取材で精神的苦痛に悩まされた裴さんが、顔を見せて自らの思いを初めて語ったのが、77年4月23日掲載の本紙インタビューだ。
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当時、裴さんを取材した記者によれば、