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被爆者認定に新基準/同胞被爆者も対象

2022年04月01日 11:37 権利

広島、長崎への原爆投下後に降った「黒い雨」で健康被害を受けた人たちへの救済措置となる被爆者認定の新基準が設けられ、1日より運用が開始された。

広島県の平和記念公園内にある「韓国人慰霊碑」(2020年撮影)

「黒い雨」は原爆投下で生じた放射性物質と火炎で発症した煤などを含んだ驟雨(シュウウ)。直接打たれた人は脱毛や歯ぐきからの出血、急性白血病による吐血などの症状をきたす。

2015年、「黒い雨」を浴びた援護区域外の住民ら84人が健康被害を受けたとして、爆者健康手帳の交付を求め広島地裁へ集団提訴。昨年7月に広島高裁は原告全員を被爆者と認め、被爆者健康手帳の交付を国に命じた。国が裁判所の判決を受け入れたことで今回の新基準が設けられた。

新基準では、既存の援護区域外でも「黒い雨」にあたったことが確認できるかまたはその可能性が否定できず、ガン、白内障など特定の疾病にかかっている人を被爆者認定の対象とした。朝鮮籍、「韓国」籍も対象。

広島県朝鮮人被爆者協議会の金鎮湖理事長によると、同会では新基準の対象となる在日同胞被爆者について調査中。一方で被爆者の高齢化や死亡などに伴い十分に把握できるのかが懸念されているという。

(紗)

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